ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

21 DIAMOND QuarterlyC - S U I T E I N T E R V I E W客様や社会からの「信頼」となる?図表「企業理念を核とした、信頼のセコムブランド」を参照?。そして、このブランドの発信源となるのが、社員一人ひとりなのです。 飯田さんが私に言った「一人ひとりが額に汗し、築き上げた信頼」、これをより確実に、より高いものにしていきたい。社長になった直後から、このことを各事業本部に出向いて喚起してきました。そして今年?2018年?、「2030年ビジョン」に向けた一里塚として「ロードマップ2022」を策定し、その一環として、先述の「トリオン活動」を7月から全社的にスタートさせました。「企業理念の透徹」がお客様や社会との信頼関係へとつながる││このことを社員一人ひとりに実感してほしい、そう思っているのです。 セコムが掲げる全員経営においては、?社員満足?というキーワードがセットになっています。この点がちょっとユニークです。なぜ全員経営に社員満足が必要なのか、ご説明いただけませんか。「全員経営」を唱えている経営者は、何人かいらっしゃって、私なりに勉強もしましたが、私が掲げる全員経営は彼らと同じ発想ではありません。これは私なりに考え抜いて、打ち出したものです。 冒頭で述べたように、変化の激しいVUCA時代に企業が自己変革をしていくには、競争力の源である変化適応力を身につける必要があります。ただし、そこにすごいリーダーがいて、上意下達で隅々まで指示が下りていくというやり方では、変化適応力は身につきません。こうしたピラミッド型組織は、ボートに例えると「レガッタ」のようなもの。波のない水面で、リーダーがメガホンで指示し、全員が一心不乱に漕ぐスタイルです。 しかしこのVUCA時代は、急流で波がどこから襲ってくるかわからない。指示を待っていたらとても間に合わないのです。自分なりに流れを読み、岩を避け、素早く櫂を漕がなければ転覆してしまう。ボートに乗っている一人ひとりが、自分で素早く判断して漕がないといけない。つまり、「ラフティング」です。このラフティングスタイルこそが、私が掲げる全員経営です。 ただし、この全員経営を実効性あるものにするためには、どうしても社員満足を原点にしなければいけません。社員一人ひとりが自分の仕事に誇りを持って働けば、セコムが提供するサービス・商品はよりよいものになる。それが期待以上の内容となれば、お客様の感動を生み、信頼が積み上がる。「いい仕事をしているね」と言ってもらうことができれば、|図表|企業理念を核とした、信頼のセコムブランド●セコムの理念「正しさの追求」「現状打破」など●セコムの事業と運営の憲法「社会に有益な事業を行う」ための基本方針●セコムグループ社員行動規範社員としてあるべき姿、心得、遵守すべき行動基準理念が体現されている組織風土お客様や社会からの信頼社員一人ひとりから見ると理念の体現理念カルチャーブランド社内から見ると強固なカルチャーお客様や社会から見ると信頼のブランド