ブックタイトルなぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?

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概要

なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?

「知らなくて当然ですよ。古いマンガですからね。当時の日本は工業化が進み高度成長を成し遂げますが、もう少しで欧米に追い付くことができるかもしれないというところまで来ます。けれど、まだ高級品に関しては競争力がなく、外国の高級品を〝舶来モノ〟といっていた時代です。ポルシェやフェラーリといった外車は庶民の手の届くものではなく、憧れだったわけです。では、課題の『進撃の巨人』ですが、このマンガはいったいどんな時代背景を反映して、人々の心をつかんでいるのでしょうか?」「う~ん……謎の巨人が人間を食べるためでもないのに襲ってくるなんて、わけがわかない暗い世界観ですし、戦っても戦っても勝てなくて、爽快感もないし……。しかも絵がすごく下手。正直、ぜんぜんわかりません。エグくて苦手です」「そうですね。私もなぜこのマンガが売れているのか最初はぜんぜんわかりませんでした。暗い世界観でちっとも楽しくありませんし、普通、売れるマンガは主人公が追い詰められても、少しは盛り返してというふうなリズムがあるのですが、盛り返すこともなくただひたすら追い詰められていくだけです」「そう、そうですよね。やられっぱなしですよね」「しかも新人のマンガ家さんの処女作なので、売れるための仕掛けのようなテクニッ子供たちの間ではスーパーカー消しゴムが大ブームに。デパートの屋上でスーパーカーの展示会が開かれるなど、今では考えられないようなことが行なわれていました。愛車ロータス・ヨーロッパを駆る主人公の風吹裕矢が、一匹狼の走り屋から始まり公道やサーキットを舞台にライバル達との競争を繰り広げ、プロレーサーへと成長していく物語です。ライバルとして世界中の著名なスポーツカーが多数、作中に登場します。単行本の発行部数は1977年時点で1100万部を突破しました。「舶来モノ」もはや、ほとんど死語ですが、外国の高級品に対する憧れを表す言葉です。018