ブックタイトル仮想通貨革命
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仮想通貨革命
29 第1章 通貨革命が始まった意味はきわめて大きい。これによってどのような変化が生じるだろうか?考えられるのは、貿易決済通貨としての利用である。現在の貿易決済では、信用状決済の場合にはその手数料が、銀行送金の場合には送金手数料などがかかる(国際送金の現在の仕組みについては、第4章の3を参照)。ビットコインを用いれば、この部分のコストはほぼゼロになる。現実のコストで大きな比重を占めるのは為替スプレッド(買値と売値の差)だが、ビットコインを使えば外貨に交換する必要はないので、この部分もゼロになる。ただし、現状では、ビットコインと現実通貨(ドルや円など)との交換比率の変動が大きく、またハッカー攻撃などの危険もある。このため、ビットコイン形態での保有時間をできるだけ短くするほうがよい。そうするには、現実通貨との両替が必要であり、それにはコストがかかる。したがって、総コストがどうなるかは、一概には言えない。しかし、ビットコインの場合のほうがかなり安くなることは、間違いない。現在の国際送金は銀行がほぼ独占しているため、割高になっている可能性が高いからだ。両替所が多数設立されれば、それらの間で競争が起こり、手数料はさらに下がるだろう。こうして、ビットコイン決済を採用した貿易業者は、競争上有利な立場に立つ。そのため、他の業者も導入せざるをえなくなる。導入しなければ、競争に敗れて退出を余儀なくされるからだ。また、輸出業者から見ると、瞬時に輸出代金を回収できるメリットも大きい。