ブックタイトル経営参謀

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概要

経営参謀

第1章 商売繁盛のサイクル047「慎重に思い込みを廃する、というのは、改革の際の大前提だろうに」「どうしたらいいのでしょうか」「そんなこと僕が知るか。自分で安請け合いをしたのだから自分で何とかしろ」安部野は冷たく言い放った。あてにしていた安部野に突き放された高山は、なす術もなく安部野の描いたチャートを見つめていた。「安部野さん、短期間で成果の得られる手段って何かないですか?」安部野のもともと不機嫌そうな顔が、さらに不愉快さを加えた表情になった。「冗談じゃない。そんな都合のいい話なんてあるものか」呆れ顔の安部野だったが、「ただし、だ…」とノートパッドをめくった。「市場調査をする前に、短期で結果につながるアイデアが探し出せる可能性はある」安部野は円を五つ描き、最初の円の中に、認知と書いた。「購買行動というものは、まず、その店、製品、あるいはそのブランドの存在を知ることから始まる。いわゆる『認知』だ。PRや雑誌の広告、新聞の折り込みチラシなどの販促物で認知されることもある。地代が高くても目立つところに店を作るのも、これが目的だ。これによって、お値打ちでスーツを買うならば『紳士服のしきがわ』、アメリカンカジュアルならばアバクロンビー&フィッチ、GAP、最先端のモードファッションならばシャネルなど、というイメージが頭の中に出来上がる」安部野は次の円に向かって矢印を書いた。「そして、次が『来店』だ。『何かが必要だ』とか、あるいは、『何か、いいもの、面白いものがあるかもしれないから、あの店に行ってみようか』という動機で、店に向かうわけだ」