ブックタイトル経営参謀
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経営参謀
050客様を棚の前まで、連れてくる力を持っていなければいけない」「なるほど」「そこで『接近』したら次に、商品を見て、選ぶわけだ」ちょっと待っててくれ、と言って、安部野は席を外した。しばらくして、手に缶詰を三つ持って戻ってきた。「仮に君が結婚していて、奥さんから、トマトピューレの缶詰を買ってくるように頼まれたとする。君が立ち寄った売り場には3種類のトマトピューレが置いてあったとする」安部野は缶詰を三つ、高山の前に並べた。「君はこの三つの中からひとつを選んで購入しなければならない。どうする?」「まず、値段を見ます」「値段は同じだとしようか」「そうですね」と言って高山は、そのうちのひとつを手にして、缶を見た。その様子を見て、安部野は尋ねた。「君は、今、商品の何を見ているんだ?」缶を自分の目の前に持った姿勢のままで、安部野の問いに高山は、今自分が何をしているのか答えられなかった。「えっと、入っている量を確認します。で、どれが良さそうかを見ているんですが」「どこを見て比べればいいと思っているんだ? 僕に教えてくれ」「いや、そう言われても答えに困るのですが」