ブックタイトルファーストコールカンパニー宣言

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概要

ファーストコールカンパニー宣言

ファーストコールカンパニー宣言1顧客価値のあくなき追求33 シミュレーションの結果、一ドル一〇〇円に設定すると赤字に陥ることが分かった。私たちは次のようにアドバイスした。「数年前、一ドル一一〇円という時期があった。そんなに昔の話ではない。今、過去最大の円高ということは、近年、過去最大の円安になることもあり得る。そして、今の利益が他力(為替)利益であり、自力利益ではないことが明確になった。最も大切なことは、為替変動などの経営リスクを回避し、自立することである」と。 その後、海外生産拠点政策と、一ドル一〇〇円でも利益が出るBEP(損益分岐点)コントロール政策を同社にアドバイスしたのは言うまでもない。そして二〇一三年五月、為替レートは一ドル一〇〇円になった。「よく予測できましたね」と言われたが、未来を予知したわけではない。歴史を踏まえて現実を直視しただけなのだ。同社に、今の利益が「他力利益」であることを理解してほしかったのである。 経営は投機ではない。経営は環境から自立していなければならない。今の円安による活況も一時的なものにすぎない。なぜなら、企業収益力の世界基準である「営業(経常)利益率一〇?一五%以上」を達成できている企業は少ないからだ。 売上高だけを上げるのは簡単である。赤字(低収益)覚悟で売ればよい。しかし、伸びると伸ばすとは違う。生産性が伸びるのが真の成長である。経営の自立とは、生産性と成長性のバランスにある。真のグローバル企業は為替の影響を受けない。販売、開発、生産、収益、戦略