ブックタイトルファーストコールカンパニー宣言
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ファーストコールカンパニー宣言
30わけだ。 これは自動車業界だけの話ではない。日本企業の多くが、こうしたイノベーションのジレンマに陥っている。「成功体験の罠」と言える現象だ。先述したコダックも同様の罠に陥っていた可能性がある。新しい時代の成功イメージは鮮明に描かなければならない。しかし、成功体験は忘れなければならない。さもなくば、強みが強みでなくなっていることに気づかないだろう。 経営には「謙虚な心」が必要である。構造転換後の顧客価値を見つめる際はなおさらだ。人は、とかく自らの成功体験や過去の事例、固定観念、一般常識、世間体などで、物事や未来を見がちな生き物である。しかし、今は謙虚な心で顧客価値を見つめ、追求し、その顧客価値に合わせて自らを変化させることを優先する時代なのだ。「本業回帰」「本業重視」。多くの経営者がこの言葉を使い、顧客価値が大きく変わっているにもかかわらず、結果的に顧客価値やその変化から目をそらしているケースが多い。 本業は何よりも大切である。しかし、顧客価値を無視した本業などない。自社の戦略を顧客価値から見直し、ビジネスモデルを転換しなければ、本業の市場そのものが消滅する。 戦略において、ライバルへの目配りは大切だ。しかし、本当に競うべきはライバルではなく、顧客価値なのだ。