金融緩和で日本は破綻する

金融緩和で日本は破綻する page 9/10

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9第1章 金融政策はどう行なわれるかを「超過準備」と言う)。さて、預金者全員がすぐに預金の全額を払い戻すことは通常はないので、銀行は預金の全額を当座預金で用意しておく必要はなく、一部だけを保有していれ....

9第1章 金融政策はどう行なわれるかを「超過準備」と言う)。さて、預金者全員がすぐに預金の全額を払い戻すことは通常はないので、銀行は預金の全額を当座預金で用意しておく必要はなく、一部だけを保有していればよい。借入者は、何らかの支払いの必要があって借入を行なったのであろう。したがって、借り入れた額を支払いにあてる。支払いを受けた取引先は、受取額の全額を必ずしも支出するわけでなく、一部を預金として銀行に預ける。これについて、再び前と同じプロセスが働くので、預金がさらに増える。このプロセスが続いていけば、最終的に預金額は当初受け入れた預金の数倍になる(この比率を、「貨幣乗数」と言う)。このメカニズムは、「信用創造」と呼ばれる。これについての詳細は、本章末の【補論3 信用創造のメカニズム】を参照。ここで、中央銀行が何らかの方法で銀行の当座預金を増やしたとする。すると、銀行にとっては、貸出余力が増えたことになるから、銀行は貸付を増やそうとするだろう。企業の借入意欲が強ければ、貸出が増える。すると、右の過程が生じ、当初の当座預金増加額の何倍かのマネーストックの増加が生じるだろう。普通の教科書では、このメカニズムが働くことを前提にして、「買いオペによってマネーストックが増え、売りオペによって減る」と説明している。ただし、本章末【補論4】の「図表