金融緩和で日本は破綻する page 6/10
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6比例的に増大するとは限らない。この場合には、GDPに対するマネーストックの比率は上昇するわけだ*1。*1 「フィッシャーの交換方程式」Mv=PTにおいて、vは「流通速度」と呼ばれる。ここで、Mはマネー....
6比例的に増大するとは限らない。この場合には、GDPに対するマネーストックの比率は上昇するわけだ*1。*1 「フィッシャーの交換方程式」Mv=PTにおいて、vは「流通速度」と呼ばれる。ここで、Mはマネーストック、Pは物価水準、Tは取引量。この式は「貨幣方程式」と呼ばれることもある。「ケンブリッジ方程式」は、これをM=kPYと表現する。kは「マーシャルのk」と呼ばれる。ここでYは実質GDP。「マネタリーベース」とは金融緩和を理解するには、それがどのようなメカニズムで行なわれるかを知らなければならない。それについては次節で説明するが、その際重要な役割を果たすのが、「マネタリーベース」という概念だ。これは、「政策当局が供給する通貨」のことである。具体的には、市中に出回っている流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値である。すなわち、 マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」これは、中央銀行と政府が民間銀行や企業、家計などに対して持つ負債だ。二〇一二年一一月において、マネタリーベース一二八・一兆円に対して、日銀券八〇・八兆円だ。つまり、日銀券がマネタリーベースに占める比重は、六割程度である。