金融緩和で日本は破綻する page 10/10
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101?A さまざまな操作によるマネタリーベースとマネーストックの変化」では、このメカニズムが働かない場合を想定している。第2章1で述べるように、過去の量的緩和政策によって現実に起きたのは、図表1?Aのようなことだった。金融政策が実体経済を動かすメカニズムマネーストックが変動すると、経済活動に影響が及ぶと考えられる。このことは、マクロ経済学の主要なテーマだ。本書では、それには深入りせず、つぎのような簡単な説明にとどめておこう。マネーストックが増加すると金利が低下し、したがって企業の設備投資などの投資活動利益率が上昇し、総支出が増えると考えられている。また、金融政策は物価にも影響すると考えられている。このメカニズム(トランスミッション・メカニズム)として、多くの人が考えているのは、単純な貨幣数量説のメカニズムだ*1。しかし、経済学者は、この問題をつぎのような「総需要」「総供給」のフレームワークで考えている。供給側の基本は、「フィリップスカーブ」である。これは、もともとは、「賃金上昇率と失業率の間に負の相関がある」(賃金上昇率が高まれば、失業率が低下する)という経験則だ。