ブックタイトル史上最大の決断

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概要

史上最大の決断

28ポーランドは1か月も経たないうちに、ドイツとソ連の間で分割され、ポーランド政府はルーマニアに脱出せざるを得なかった。この間、英仏は戦う素振りを見せなかった。特にフランス陸軍はドイツ陸軍に比べて非常に優勢にあったにもかかわらず、ドイツ軍のポーランド侵攻に対して実質、指をくわえて見ていた。ドイツ軍もポーランドから西方に動こうとはしなかった。宣戦布告は行われたのに、一向に戦いが起こらない。だから、「まやかし戦争」と揶揄されたのだ。イギリス人は自国の海軍にはイギリス海峡を守る強大な力があり、さらにドイツの爆撃機が飛来してもイギリス空軍がたやすく撃墜するはずだと思っていた。フランス人は最強の要塞であるマジノ要塞線がドイツの脅威から自分たちを遠く隔ててくれていると信じ込んでいた。どちらの国民も防衛意識だけは強かったが、その初期において戦う意思に欠けていた。ドイツが進撃しなかった3つの理由ではなぜドイツも積極的に出ようとしなかったのか。ヒトラーが英仏、特にイギリスとの和解を望んでいたのがまず第1の理由である。事実、10月6日に行った議会演説では、「ドイツとイギリスが和解に達すれば、ヨーロッパおよび世界中に平和がもたらされるだろう」と述べている。しかし、それは「ドイツが獲得した領土を英仏は認めよ」というに等しく、到底、うなずける内容ではなかった。ドイツは、ヒトラーの奸智の下、36年3月以来、非武装地帯とされたライン川西方のラインラント