セコム その経営と真髄

セコム その経営と真髄 page 3/12

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45 第1章 創業者・飯田亮の生い立ちと、創業に至るまでビリティ(持続的発展性)という問題である。なぜなら、創業者の年齢からして、創業後数年経てば、後継者問題を含めて会社の将来を他の人に委ねなくてはなら....

45 第1章 創業者・飯田亮の生い立ちと、創業に至るまでビリティ(持続的発展性)という問題である。なぜなら、創業者の年齢からして、創業後数年経てば、後継者問題を含めて会社の将来を他の人に委ねなくてはならないからだ。体力、気力の劣化だけでなく、不幸にも死というリスクも抱えている。その点、セコムのように創業者が若くしてつくった会社は、長い間、創業者がトップとして君臨し「異能」の采配を振るうことができる。肩書が、社長から会長、最高顧問などに変われども、創業者としての存在感は、どのような会社においても極めて大きい。自分が経営から退いた時のことを考える時間も十分確保できる。 創立50周年を迎えても創業者が健在で、今もなお、従業員にとって実質上の司令塔、心の拠り所であり、社会から見れば会社の顔となっている場合、すべてとは言わないが、多くの場合、そのような企業は全盛期を迎えていると言っていいだろう。「全盛期」とは、これまでのなかで最も栄えている時期であり、その後、さらなる記録更新が期待できる。もっともここで言う「全盛期」とは、10年以上の長期スパンで見た現象を言っている。短いスパン、単年度、極端な場合はアメリカ型の四半期という時間軸で切り刻んでみると、企業であれば、「全盛期」においても上下の振幅はある。しかし、長期で「全盛期」と評価できる時期に遭遇するのが「創業者の時代」である場合が多い。 もっとも、創業以来、好調に推移してきたものの、何かの大きな原因により「晩節を汚した」と評価された著名な創業者もいる。だが、彼らとて、長期の成績表をつけると、平均点は高かったのではないか。なぜなら、著名経営者、一時期は名経営者と呼ばれた人は、何か大きなことを