セコム その経営と真髄

セコム その経営と真髄 page 11/12

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53 第1章 創業者・飯田亮の生い立ちと、創業に至るまでうに見えるが、戦前、戦中の対極した価値観が共存し、双方を理解した上で複合的思考ができるユニークな世代である。 飯田氏は当時を振り返って、次の....

53 第1章 創業者・飯田亮の生い立ちと、創業に至るまでうに見えるが、戦前、戦中の対極した価値観が共存し、双方を理解した上で複合的思考ができるユニークな世代である。 飯田氏は当時を振り返って、次のように述べている。「ある程度物事が分かり始めた多感な少年期に、過去の価値観が絶対でないことを知った。それは後々のことを考えると、絶好のタイミングだった。事業家となってからは既成概念を疑い、現状を打破していくことを信条としたが、これは敗戦の経験が大きく影響している。その意味では、幸運だったと言える」父親から叩き込まれた「起業の精神」 今なお大切にしているのが、父から「まっとうな商売をしろ」と教えられたことだ。 終戦からしばらくすると、父は家族を葉山に残し、岡永商店を立て直すため日本橋に戻った。東京に出てきた飯田氏が目にした光景は、空襲で焼失した店の残骸だった。バラックの側で薪を燃やして飯を炊いていた父の後ろ姿から悲哀さえ感じられた。その傍らでは、ヤミ屋が荒稼ぎをし「成り金」になっていた。飯田氏が一言「すげえなあ」と言った時、父が釘を刺した。その言葉が今も忘れられない、と言う。