震災死

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019 第1章 医師がみた「大震災の爪痕」られたが、これは医学的にあり得るのか」高木氏は凍死による、即時死後硬直の可能性があるという。「私が診たご遺体の中にも、がれきに挟まり、水の中で身動きがとれないまま....

019 第1章 医師がみた「大震災の爪痕」られたが、これは医学的にあり得るのか」高木氏は凍死による、即時死後硬直の可能性があるという。「私が診たご遺体の中にも、がれきに挟まり、水の中で身動きがとれないまま、凍死したと思われるものがあった。あの日の水温や気温は低く、凍死してしまったのだろう。その場合も、何かにつかまったままの姿で硬直することは考えられる」多くの遺体の服は脱げてはいないものの、泥が大量についていた。高木氏は安置所のことを振り返りつつ、語る。「1枚を脱がすと、泥。もう1枚脱がすと、また泥がついていた。特に高齢者は7?8枚と厚着をしていた。だから、泥だらけになっていた。近所に住むお年寄りたちで“避難所は寒いから逃げるときは厚着をしよう”などと話し合っていたのではないか」遺体の中には、体が引き裂かれ、足や腕だけになっているものもあった。「部分遺体」と言われるものだ。ショベルカーなど重機でがれきの処理をするときに、体を割いてしまった可能性もあるという。このような死後損壊を除けば、実際には損傷は少なく、顔がん貌ぼうや体格が判別できる遺体が多かった。高木氏は多くの遺体から感じ取った“私見”と述べたうえで、次のような興味深いことを話した。これは、新聞などではあまり報じられないことである。「宮城県北東部にある牡お 鹿じか半はん島とうよりも北に位置する気仙沼市や南三陸町、女おな川がわ町などでは、