次なる経済大国 page 9/10
このページは 次なる経済大国 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
27 第 1 章 BRICsの誕生し、危機の広がりを食い止めることができた。中国は、経済的思考と政治的手腕を持ち合わせていることを証明した。アメリカの介入の影響力については異論もあり、別の要因が円高を促し....
27 第 1 章 BRICsの誕生し、危機の広がりを食い止めることができた。中国は、経済的思考と政治的手腕を持ち合わせていることを証明した。アメリカの介入の影響力については異論もあり、別の要因が円高を促し、アジア通貨危機を収拾したとも言われている。しかし、本書では、中国が世界経済のために重要な役割を演じ、自国を守るためにアメリカを説得したことを強調しておきたい。私もまた、感銘を受けた一人だった。こうして私は、世界の経済構造の変化や、それが経済発展や政策の特定の問題にとってどういう意味を持つのかを考えるようになる。私は、外国為替市場専門のエコノミストとして、世界経済政策において主要な役割を果たしているG5やG7とともに成長してきた(1)。1985年、G5諸国(アメリカ、日本、フランス、西ドイツ、イギリス)は、プラザ合意に署名するため、ニューヨークのプラザ・ホテルに集まり、円とドイツマルクに対するドル高の是正に合意した。1987年、これら5か国にカナダとイタリアを加えたG7が、今度はパリのルーブル宮殿に集まり、2年前に促したドル安に歯止めをかけようと画策した。この2つの出来事は、私のキャリアに、そして、市場や経済政策についての考え方に大きな影響を及ぼしている。当時、世界の経済政策は、豪華なホテルや壮大な美術館に集うほんのひとにぎりの国の代表たちによって決められていた。外国為替市場を分析するうえでの私の信条のひとつは、「決してG7を無視するな」になる。これらの国には力があり、こうと決めたら必ずやり遂げるように見えた。