次なる経済大国

次なる経済大国 page 6/10

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24始めた。その年のうちにリサーチ部門を率いるようになり、リーダーとしての仕事は、スタッフのマネジメントを別にすれば、銀行の内と外とを結ぶためのおもしろいアイデアを考えつくことだと気づいた。私は、欧州連....

24始めた。その年のうちにリサーチ部門を率いるようになり、リーダーとしての仕事は、スタッフのマネジメントを別にすれば、銀行の内と外とを結ぶためのおもしろいアイデアを考えつくことだと気づいた。私は、欧州連合(EU)の前身、欧州共同体(EC)を支える債券市場の潜在的成長力について考えるようになる。何人かの大陸出身の同僚に囲まれていたせいかもしれない。彼らは、欧州通貨同盟(EMU)構想に夢中に見えた。単一通貨の導入は計画段階にすぎなかったものの、私は、これがあと戻りのできないプロセスであり、ヨーロッパ各国の債券市場は、この新たな現実に適応せざるを得ないと確信していた。実際、1981年以降は、この未流通の共通通貨建てで債券を買えるようになっていた。ユーロの前身は、当時、欧州通貨単位(ECU)と呼ばれていたものである。1990年、私はECU建て債券取引の追跡モデルを作成した。あまりにも単純化されたモデルだったが、スイス・バンク・コーポレーションをこの市場における信頼できるプレイヤーとして印象づけるのに役立った。EMUは、全体像に焦点を合わせるという点で、私にとっては格好の学習機会となった。ヨーロッパ各国の主要通貨については、マリン・ミッドランド銀行時代にすでに多くを学んでいる。私の知る多くのトレーダーは、たとえば円とリラなど、ほんのいくつかの取引だけを専門に扱っていた。イタリア通貨の変動は、つまりは、儲けるにせよ損をするにせよ、その機会が常にふんだんにあることを意味していたため、多くのトレーダーは機会を失うのを残念がった。外国為替市場は、ユーロの登場によって新しい機会を求め、世界に目を向けざるを得なく