次なる経済大国

次なる経済大国 page 10/10

電子ブックを開く

このページは 次なる経済大国 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
28EMUが創設され、これほど多くの通貨をたったひとつにまとめることになれば、G7の意義が薄れるのは当然に思えた。ドイツ、フランス、イタリアが、単一の通貨や金融政策を持つようになれば、わざわざG7の会合....

28EMUが創設され、これほど多くの通貨をたったひとつにまとめることになれば、G7の意義が薄れるのは当然に思えた。ドイツ、フランス、イタリアが、単一の通貨や金融政策を持つようになれば、わざわざG7の会合に顔を揃える必要があるだろうか。代表一人で事足りるだろう。おまけに、1990年代後半の成長パターンを見れば(そして、アジア通貨危機の試練を乗り越えた中国の手腕を考えれば)、21世紀のそう遠くない時期に、中国は、GDPに関してイタリアを抜き、すぐにフランス、イギリス、ドイツにも追いつくように思われた。G7改革の必要性は、当時すでに明らかだった。それなのに、アメリカが2008年になってようやく、19の主要国とEUから成る瀕死の枠組みを、G 20 として蘇生させたのには驚かされる。これは、本当の意味で、改革への道をたどる最初のステップだった(2)。BRICs台頭で世界が変わる2001年、ブラジル、ロシア、インド、中国について、特に私が興味を持ったのは、どの国も国際舞台への参加を熱望しているように見えたことだ。過去に何があったとしても過去は過去、グローバリゼーションは現在進行形であり、4か国はその仲間に入りたがっていた。インターネットによって、企業がますます多くの活動を、海外で安価にアウトソーシングできるようになったのは明らかだった。中国は、手軽な選択肢だった。その規模はもとより、指導者たちが、資本主義を、いや、少なくともそのかなりの部分を熱心に受け入れようとしていたの