ＬＥＳＳ ＩＳ ＭＯＲＥ　自由に生きるために、幸せについて考えてみた。 page 8/10

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最近は、旅行業界も飽和していて、「ミラノに行って服を買いましょう」とか「自由の女神を見に行きましょう」といったツアーは成立しづらくなっています。これほど海外旅行がメジャーでなかった時代は、海外に行くだ....

最近は、旅行業界も飽和していて、「ミラノに行って服を買いましょう」とか「自由の女神を見に行きましょう」といったツアーは成立しづらくなっています。これほど海外旅行がメジャーでなかった時代は、海外に行くだけで「うわあ！」という感動や驚きがありました。でも今は、子どもの頃からもう何度もハワイに行っているという人も珍しくなく、多くの人が海外旅行にすっかり慣れてしまっています。ハワイでも、ダイビングなどの「マリンスポーツをしよう」という目的のはっきりしたツアーや、そこからさらに一歩進んで「ホノルルマラソンに出よう」とか「トライアスロンの大会に出よう」といった体験型の旅が増えてきました。これは高度経済成長を終え、モノをたくさん持ってしまった状態にとても似ているのではないかと感じます。冷蔵庫を買った、テレビを買った、洗濯機を買った、車も買った。何もなかった状態からいろんなモノが揃っていくというのは、たしかに幸せなことだったでしょう。でもいざ「何でも揃った」となったときに、また同じモノを買ってもそれほど感動はありません。いくら新しい機能が付いたとしても、幸福感や満足感は薄れてしまうのです。モノから得られる満足は一瞬しか続かないけれど、経験やそこから得た知識は、自分の中に一生残ります。モノを買うことは短期的な欲求を満たすこと、その反対に経験や体験はもっと長期的な視点で得られる利益なのです。22