答えはすでにあなたの心の中にある page 7/12

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19 １章　スピリチュアルな危機〈ダール、子どもたちをつれて母の家に帰ります。もうあなたを愛してません。ごめんなさい。朝になったら、わたしの弁護士から電話がいくでしょう〉こういった手紙に対する心の準備は....

19 １章　スピリチュアルな危機〈ダール、子どもたちをつれて母の家に帰ります。もうあなたを愛してません。ごめんなさい。朝になったら、わたしの弁護士から電話がいくでしょう〉こういった手紙に対する心の準備はできない│なにも。わたしは結婚生活が順調なふりをしていたが、すきま風が吹きはじめているという自覚はあった。家をあけて旅や仕事についやしている時間は、結婚や家族から盗んでいる時間であったし、かつては存在したわたしたちの愛は消え去っていた。わたしはよき父親のふりもしていたし、外からはおそらくそう見えたことだろう。でも、賢いわが子たちは真実をわかっていたのだ。彼らのすぐ横にすわっているときですら、わたしはいないも同然だった。仕事のことが頭をはなれなかったし、心ここにあらずだった。当時のわたしは、きわめつけの自己中心人間だったのだろう。世界は自分を中心にまわっていると思っていた。ほかのだれかの要求や感情は、自分のものにくらべればどうでもよかった。金持ちになりたかった。認められたかった。勝ちたかった。その過程で、わたしはもっとも大切なものを失ったのだ。書き置きとその後の離婚訴訟は、わたしの心を引き裂いた。自宅を追いだされたわたしは、所有するホテルのひとつで暮らしはじめた。子どもたちと会えるのはわずか週一回で、週末をいっしょにすごせるのは数週間おきだった。わたしは浴びるように酒を飲むようになり、