ブックタイトル【新版】グロービスMBAリーダーシップ
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【新版】グロービスMBAリーダーシップ
4第1章の概要と構成◆概要 リーダーシップとはいったい何か――。 それを明確に意識せずとも、我々人間は古来、ずっとリーダーと共に生きてきた。地球上の部族のほとんどには長(おさ)がおり、やがて地域や国を治める人物も登場した。宗教などの精神的なつながりからなる集団の中にも、また集団同士の戦いの現場にも、中心的な役割を果たす人物がいた。 どのような人物を人はリーダーと呼ぶのか。また、リーダーになったときに、どうすれば人々がついてくるのか。その答えは1つではない。時代を紡ぐ過程でさまざまな考え方が生まれ、異なる考え方が並存し、いまも変遷を続けている。 現代に生きる我々にふさわしいリーダーシップを考えるためにも、まずはリーダーシップ論の歴史を振り返り、時代の変化の中で我々がリーダーシップについて、いかなる経緯で、どのような検討を重ねてきたのかを概観してみよう(図表1-1)。◆ポイント1-1 リーダーに共通する特性は何か――特性理論 古来のリーダー研究は、国家レベルでの政治家や職業軍人などを主な対象として、それら人物に共通する個人的資質や属性を論じたものが多かった。20世紀になると、心理学的知見が応用されるようになり、個々人の気質や特性を把握して、それを生かす道が模索されるようになる。1-2 リーダーのとるべき行動――行動理論 リーダーの資質や特性ではなく、行動に着目したのが「行動理論」と呼ばれる一連の研究である。三隅二不二の「PM理論」やブレイクとムートンの「マネジリアル・グリッド」などが主なものだ。「一握りの非凡な人」ではない一般人にも適用しやすいリーダー論の登場である。