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梗概
このブランド(企業)はなぜ強いか。
長期的な競争優位の源泉を明らかにし、日本企業における強いブランドの開発と管理の要
件を示す。ブランドの今日的役割と日本企業におけるブランド・マネジメントのあり方を
問い直す必読の実践ブランド論。
●本書のブランド・アイデンティティ概念ないしアイデンティティのピラミッド構造
理論は、消費者が購買・選択の対象とする製品に付与された「製品としてのブランド」か
ら出発しながら、それを提供する企業という「組織としてのブランド」ないし「人格とし
てのブランド」「シンボルとしてのブランド」が存在しているということ、そして、その
各々が製品ブランドのマネジメントに解消されない独自の戦略領域を持っており、これら
のマネジメントが製品ブランドのパワーを高めるうえでますます重要になるということを
主張するものである。この考え方は、個別製品ブランドの育成やそのマネジメントが主た
る関心事であった欧米型のブランド・マネジメントの見直しを迫るものとなる。
●そのように統合的にとらえられたブランド・アイデンティティの理論枠組みは、こ
れまでのわが国に特徴的であった企業ブランドを軸にしたブランド体系管理にも有益な支
援ツールを提供する。「超企業ブランド—企業ブランド—レンジ・ブランド—個別製品ブ
ランド」という垂直的な形でのブランド構造の連携・再編、さらにそれと錯綜する形で進
められているブランドのポートフォリオの策定は、実はブランド・アイデンティティのピ
ラミッド構造が分化・自立化した形で行なわれるべきであると考えられる。
●トータルな目で今日におけるわが国のブランド戦略や21世紀に向けたべきブラン
ド戦略のビジョンを考えたときに、ブランド・アイデンティティを軸にそれを再生すべき
であるというのが本書の結論である。 《本文より》
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