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解 説
あのGE、ソニーが全面導入した経営手法のすべて
今世紀最後の経営手法「シックスシグマ」。そのコンセプトをGE、モトローラ、IBMなどの導入先進企業の事例とともに紹介する。
◎品質立国ニッポンへの挑戦状
1980年代初頭の、日本企業が「メイド・イン・ジャパン」製品の高品質で米国の市場を席巻していた時期に、モトローラなどは文字通り臥薪嘗胆し、やがて製品品質において日米逆転をすべくシックスシグマ手法を開発していた。すなわちシックスシグマ手法は品質立国ニッポンに突きつけられた挑戦状なのである。1998年になってシックスシグマ手法の全社的な導入をトップダウンで決定したソニーの出井伸之社長は、シックスシグマ手法導入の理由を「気合だけでは米国に勝てない」からであると語っている。日本企業にとって現在はまさに踏ん張りどころの時期であろう。このような時こそ、うわついた精神論に惑わされることなく厳しく自己の足元を見つめ直すべきなのである。シックスシグマ手法は、必ずや日本企業における経営革新のための起爆剤になるものと信じて疑わない。(著者「はじめに」より)
◎今世紀最後の経営手法「シックスシグマ」
「製品を 100万個つくったときの不良率を 3.4個にする」という、高レベルの目標設定を行なった上で推進する全社的革新活動である。単に、製造、品質管理部門にとどまらずマーケティング、エンジニアリング、サービス、計画策定プロセスなど、経営活動全般を対象にしている。そのコンセプトをGE、モトローラ、IBMなどの導入先進企業の事例とともに紹介。さらに日本企業がシックスシグマ導入にあたり、注意すべき点を考察する。
◎なぜ、「シックスシグマ」なのか?
その最終目標は高品質、低コスト、そして最小限のサイクルタイムであり、これらの実現により顧客満足を大いに向上させることである。
●6σ企業の欠陥発生によるコストは、売上高の1%以下である。
●4σ企業の欠陥発生によるコストは、売上高の25%以上である。
(レイセオン ホームページより)
◎シグマ
シグマ(σ)は、標準偏差と呼ばれ、分布のバラツキ度合い、すなわちエラーやミスの発生確率を示す統計用語である。
◆ 100万回当たりのエラー発生件数は……。
●4σ→6210件
●5σ→ 233件
●6σ→ 3.4件
◆本の誤植に例えると……。
4σの精度は1冊の本30ページにつき1個の誤植が、5σは百科事典1セットに1個の誤植が含まれるのに対し、6σになると小さな図書館の全蔵書中における1個の誤植に相当する。 |