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はじめに
第1章 危機からの脱却
1 経済の長期低迷は必要だった
危機の果てに
旧体制は必然的に変わる
均衡回復への道筋
反騰した長期金利
政府・日銀の引き受けた痛み
竹中強行路線は何をもたらしたか
不良債権処理のセオリー
量的緩和と為替介入の組み合わせ
積極姿勢に転じた日銀
アウトサイダーによって可能になった政策転換
2 危機は本当に去ったのか
物価上昇と均衡の回復
「機が熟す」過程
ガバナンスの刷新は十分か
日本が直面しなければならない、いま一度の危機
3 財政赤字累増の行く末
物価水準の財政理論
政府・日銀の信用が失われる時
途上国型破綻の可能性はあるか
4 政治は変われるか
アウトサイダー
“小泉流人事”の本質
ポピュリズムの限界
小選挙区制導入10年の成果
二大政党制の兆しは本物か
政治のガバナンスが刷新される時
5 経済再生の新しい芽
世界最先端を走る日本企業
第2章 長期不況の二つの結末—イギリスと日本
1 19世紀後半のイギリス
大不況期のイギリス経済
実質賃金の高止まりと競争力の喪失
デフレの貨幣要因と実物要因
デフレからの脱却過程
長期衰退への道
グローバル化と衰退
現在の日本への示唆
2 1920〜30年代の日本
1920〜30年代の日本経済
経済の高コスト化とデフレ
デフレからの脱却過程
現在の日本への示唆
3 二つの事例から学ぶこと
第3章 政府債務累増のゆくえ
1 政府債務の累増はいかにして解消されたか
ナポレオン戦争後のイギリス
第一次大戦後のアメリカ
第一次大戦後のドイツ
第二次大戦後のアメリカ
第二次大戦後の日本
1980年代後半のアメリカ
1990年代初めのイタリア
1990年代初めのスウェーデン
2 8つのケースの比較検討
政府債務累増に何が歯止めをかけたか
戦費か大きな政府か
国債償還か成長か物価上昇か
3 最終的な責任を持つのは誰か
政府の予算制約式
政府債務はどのように解消されるか
通貨制度と財政規律
4 日本への示唆
現在の日本の歴史的位置づけ
政府債務のソフトランディングは可能か
第4章 新しいマネーと金融の登場
1 マネーの退蔵と囲い込み
退蔵するマネー
マネーの囲い込み(1)——コミュニティマネー
マネーの囲い込み(2)——コミュニティクレジット、コミュニティボンド
コミュニティ内での消費、投資の促進
2 マネー囲い込みの意義
大不況とマネー囲い込み
減価するマネーの思想—ゲゼルの自由貨幣論
ケインズの国際通貨「バンコール」構想
ハイエクの貨幣発行自由化論
コミュニティマネーの進化した形態
現代におけるコミュニティマネーの役割
3 マネー囲い込みのための戦略
部分的アプローチの統合
ボランティアとの共生
独自通貨の持つ効果
4 貨幣システムの問題点を超克
第5章 日本経済復活の萌芽
1 産業競争力の回復は可能か
安価な労働力活用のビジネスモデル
中国ブームとモラルハザード
中国一辺倒のリスク
低コスト生産ゲームにいつまで参加するのか
伝統への回帰
国内への回帰
日本産業の活路
2 新たなコーポレート・ガバナンスの確立
機能不全のメインバンクシステム
内部のガバナンス機能の喪失
ガバナンスの新たな枠組み
戦前のガバナンスとの類似
日本型ガバナンスのメリットの維持
商法改正による新しいガバナンスの仕組み
日本型とアメリカ型の融合
3 金融機能の回復の道筋
金融が本来果たすべき役割
新たな融資形態の模索
誰がラストリゾート機能を担うのか
個人マネーの囲い込み競争
4 長期不況の果て
小泉改革の挫折は長期不況の終わりの始まり
参考文献
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