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はしがき
序文──現代の世界経済をどうみるか
第1章 国際貿易の理論
1 比較優位の原理
■歴史的な背景と意味
■比較優位の原理とは何か
■貿易の利益は交易条件によって決まる
■実証分析の観点からみた比較優位論
■真のライバル産業は国内産業である
■すべての産業保護はありえない
■普遍性をもつ比較優位の原理
■まとめ
2 要素量賦存の命題
■へクシャー・オリーンの定理とは何か
■H・Oの定理の示唆すること
■要素価格均等化の定理
■要素価格均等化の定理の意味
■農業保護を考える切り口
■リプチンスキーの定理
■サミュエルソン=ストルパーの定理
3 国際貿易の制度と歴史
■貿易・産業政策の基準としての比較優位の原理
■比較優位の原理と通商政策
■自由貿易の歴史
■戦後の通商制度の主な仕組み
4 WTOの概要と問題点
■ラウンド交渉はどのように進むのか
■最恵国待遇
■相互主義の原則(Principle of reciprocity)
■ガット多角的交渉の実際
■関税率の引き下げから非関税障壁へ
5 WTOから自由貿易協定(FTA)へ
■自由貿易地域と関税同盟の違い・共通点
■貿易創出効果と貿易歪曲効果
■FTAへの実態的なアプローチ
■量産されるFTA
■「スパゲッティ・ボール現象」
6 日本のFTA
■日本の対応の変化
■堂々めぐりする農業問題
■外国人労働力の受け入れ問題
■問われる日本の外交戦略
7 経済発展の原動力としての自由貿易
■生産のフロンティアを拡張する貿易
■貿易の利益とは「交易条件の改善」
■交換の利益と生産の利益
■「小国の前提」からみた貿易の利益
■窮乏化成長のケース
■経済の動態的発展をもたらす原動力——自由貿易
■競争政策としての輸入促進
■貿易と成長の関係
■「内生的成長の理論」の枠組みで考察する
8 自由貿易と保護主義(1)
■幼稚産業保護の議論
■産業調整のための一時的な保護政策
■貿易摩擦と調整コスト
9 自由貿易と保護主義(2)
■戦略的貿易政策
■戦略貿易論はどこまで正しいか
■ネットワーク型産業の隆盛と「規模の利益」
■政治的な決定過程からくる制約
■レントシーキングの弊害
トピックス
比較優位はどんどん変わる——日本産業の発展図式
レオンチェフの逆説
なぜ日本はFTAに踏み切ったのか——省庁間の駆け引き
「貿易主義」vs「国内開発主義」
レントシーキング活動と政治過程
第2章 国際収支の理論と実際
1 国際収支とは何か
■国際収支表
■国際収支表の内容・構成
■経常収支とは
■資本取引とは
■複式簿記で構成される国際収支勘定
■複式計上のためのフィクション
■国際収支の赤字、黒字とは何か
■外貨準備額の増減
■為替レート制度との関係
■ファイナンスの意味を再考する
2 経常収支と国民所得勘定
■経常収支の長期的な動向
■経常収支と国民経済勘定との関係
■対外純資産の蓄積とのリンク
■貯蓄・投資バランスからの観点
■貯蓄・投資バランスと金融仲介
■高齢化と経常黒字の関係
■貯蓄率が下がるとどうなるか
■経常収支の発展段階説
3 国際取引と外国為替市場
■国際決済と外国為替
■外国為替市場とは
■成長をとげる外国為替ビジネス
■為替取引の自由化
■国際決済のメカニズム
■為替リスクとは何か
■為替リスク回避の手段
■リスクヘッジと為替投機
■通貨オプションなどデリバティブの活用
■為替リスクの総量を決める要因は何か
■直先レートと金利裁定
4 為替レートの決定
■為替レートの予測が困難な理由
■為替の理論を考察する意味
■購買力平価説(PPP)
■アセットアプローチ
■経常黒字国の通貨はなぜ切り上がるのか
■リスクプレミアムは変化する
5 国際マクロ経済学——マンデル・フレミング・モデル
■マンデル・フレミング・モデルとは何か
■マクロ経済モデルの開放化
■MFMの基本構造
■金融政策の効果(金融緩和のケース)
■財政政策の効果(財政拡張のケース)
■帰結といくつかの応用
■不可能のトライアングル
■1980年代のバブル:論理的に不可能な政策課題の追求から発生
■応用例:市場開放のマクロ経済への効果
6 為替レートと産業調整
■為替レートの調整機能の限界
■経常収支の改善効果:マーシャル・ラーナーの条件
■Jカーブの理論:円の切り上げで経常黒字したのか?
■Jカーブ効果の発生メカニズム
■価格転嫁率と数量効果
■産業部門への円高インパクトの違い
■輸出産業へのインパクト
■輸入産業へのインパクト
■円高阻止の保護主義
■財政赤字の拡大と有効性の低下(リカード効果)
トピックス
2008年のIMFマニュアルの改訂
技術輸出の増加は、経済の成熟化現象か?
裁定と投機の違い
「最適通貨圏」の理論からみた経済統合
第3章 直接投資と世界経済の統合化
1 直接投資とその影響
■直接投資を分析する意義
■直接投資のデータ
■直接投資の動向
■直接投資とは何か
■多国籍企業の主体としての直接投資
■直接投資という投資
■直接投資の決定メカニズム
■もっとも有力な投資理論——内部化理論
■直接投資のOLI理論とは
■対内直接投資なぜ少ないのか
2 「競争力」とは何か
■「競争力」という概念
■「国際競争力」の定義
■貿易収支との関係——調整メカニズムはどう作用するか
■「競争力」概念の移り変わり
■類比的な思考の陥る誤り
■国家を前提にした「競争力」の限界
3 中国の台頭は日本にとって本当に脅威か
■日中関係はどうみればいいのか
■世界一を誇る中国の生産力
■セーフガードの発動をどう考えるか
■要素価格均等化の観点
■補完性を重視する議論
■注目すべき最近の動き
■エレクトロニクス企業にみる対応策
■人民元の切り上げ問題へどう取り組むか
4 内外価格差の経済分析
■内外価格差をなぜ取り上げるか
■先進国に共通する問題
■内外価格差の調査・計測
■予備的考察(1)——内外価格差と一般物価の違い
■予備的考察(2)——小売りサービスの高品質を反映
■内外価格差の考察(1)——需要サイドからの考察
■輸出市場別の価格設定
■内外価格差の考察(2)——供給サイドからの考察
■高い生産性上昇率が価格差を生む
■傾斜的な産業構造の功罪
5 グローバリゼーションと地域経済
■グローバル化時代と地方経済
■保護の体系としての地方経済
■アジア諸国と対等な競争関係へ
■ハブ空港・港湾をめぐる激烈な競争
■リーディング・インダストリーは何か
■集積と分散が同時進行
■「新しい経済地理学」の視角
■通貨と地域経済
■地理的距離よりも経済的距離の重視へ
■地域活性化の条件
6 世界市場の統合化とその帰結
■拡大を続ける世界経済の活動
■進展するグローバリゼーション
■標準化のための市場開放
■世界標準とは何か
■世界標準の体系と構造
■市場インフラとしての世界標準
■外部性のメカニズム
■画期的なWTOのスタンダード協定
■日本産業の世界標準対策
■スタンダード重視の企業戦略
■受容する世界標準から、創造する世界標準へ
トピックス
直接投資とその影響——マクドゥガル・モデルとは?
対日直接投資を増やす切り札——三角買収
技術者の処遇など知的所有権の問題へ
キャッチアップによる国力の逆転——90年前の日本を考える
新段階の製造業と世界標準——「スマイルカーブ仮説」について
主な参考文献
索引
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