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第1章 イントロダクション
1 金融の役割
1 資金の移転
■金融取引とは
■所得と支出の時間パターンの変更
■事前の情報獲得
2 リスクの移転
■リスク・エクスポージャの変更
■リスク移転の意義
■負債契約の一般性
3 規律付けと情報提供
■履行確保の必要性
■不履行処理の重要性
■価格情報の提供
2 金融システムのアーキテクチャー
1 相対型金融と市場型金融
■金融取引様式の2類型
■相対型の金融取引
■市場型の金融取引
2 金融システムの比較(1)
■金融システムのアーキテクチャー
■経済発展段階との関連
■突破局面か成熟局面か
3 金融システムの比較(2)
■システムの安定性
■構造調整との関連
■政府介入の難易度
3 資金循環構造
1 資金不足の時代
■キャッチ・アップ段階
■戦後前半期の金融構造
■高度成長期の終焉
2 資金余剰の時代
■戦後後半期の金融構造
■財政赤字と国債の大量発行
■経常収支黒字と経済摩擦
4 日本の金融システムの概観
1 典型的な銀行中心型
■銀行部門の優位
■直接金融と間接金融
■金融制度改革の挫折
2 複線的な金融システムへ向けて
■金融システム改革の課題
■市場型間接金融の確立
■金融システムの中期ビジョン
第2章 資産価値
1 キャッシュフローと資産の価値
1 資産の価値とは?
■資産の価値とは
■資産の価値=将来キャッシュフローの現在価値
■現在価値計算の難しさ
2 確実性下における資産の価値
■現在の価値と将来の価値
■確実なキャッシュフローの現在価値
■利子率が変化する場合への拡張
3 コンソル債とアニュイティーの価格式
■コンソル債(パペチュイティー)の価格式
■アニュイティーの価格式
■補論(コンソル債とアニュイティーの価格式の導出)
4 不確実性と資産の価値
■不確実性下の価値評価
■現在価値の評価式
■利用のための課題
5 期待収益率を用いた価値評価の例
■事業評価と正味現在価値(NPV)
■成長性を考慮した企業価値
6 状態価格を用いた資産価値評価
■状態価格とは
■状態価格の利用法
■状態価格アプローチの問題点
2 リスクとリターン
1 リスク回避とリスク・プレミアム
■リスクと投資家行動
■リスク回避とリスク・プレミアム
■確実性等価
2 ポートフォリオと分散投資の効果
■ポートフォリオとは
■「すべての卵を同じ籠に入れるな」
■分散投資の効果
3 リスク・リターンと平均分散分析
■平均分散分析の考え方
■ポートフォリオのリスクとリターン
4 ポートフォリオ・フロンティアとCML
■ポートフォリオ・フロンティア
■資本市場線(Captal Market Line 〈CML〉)
5 平均分散効用関数とマーケット・ポートフォリオ
■平均分散効用関数
■投資の決定と二基金金融分離
■マーケット・ポートフォリオ
6 CAPMと割引率
■フロンティア・ポートフォリオと期待収益率
■CAPM(Capital Asset Pricing Model)
■CAPMによるリスクとリターン
3 伝統的金融商品の価格付け
1 株価と期待収益率の決定
■配当割引モデル
■実現した収益率の平均値 vs 理論的な期待収益率
■CAPMの実証的適合性
2 マルチファクターモデルとAPT
■シングルファクターモデル
■マルチファクターモデル
■APT(Arbitrage Pricing Theory)
3 ファクターモデルの利用法
■様々なファクターモデル
■収益率の評価への利用法
■リスク管理への利用法
4 債券価格と利回り
■債券と最終利回り
■スポットレート
■フォワードレート
5 利回りの変化とデュレーション
■利回りの変化とデュレーション
■利回りの変動リスクのコントロール
■コンベクシティー
6 利子率の期間構造と金利モデル
■利子率の期間構造
■金利モデルのアイディア
4 デリバティブの価格と取引
1 先渡しと先物
■デリバティブとは
■先渡し契約(forward contract)
■先物契約(futures contract)
2 スワップ
■スワップ契約(swap contract)
■プレイン・バニラ(plain vanilla)・スワップ
■スワップの利用と価格
3 オプション
■オプション(option)
■オプションのペイオフ
■オプションの価格
4 二項モデルとオプション価格
■二項モデル(binomial model)
■複製ポートフォリオと状態価格
■デリバティブの価格と取引戦略
5 派生証券を利用したヘッジ取引
■ヘッジ(hedge)取引
■先渡し(先物)によるヘッジ
■オプションによるヘッジ
6 リスク評価の概念装置としてのオプション
■内包された(embedded)オプション
■コール・オプションとしての株式
■デフォルト(債務不履行)とオプション
■アメリカ型・オプションとリアル・オプション
5 リスクの評価と管理
1 リスクの分類
■なぜリスク管理か
■リスクの分類
■リスク管理の意義
2 リスクの評価と統合管理
■VaR(Value at Risk):市場リスクの定量化
■VaRの拡張:信用リスクの定量化
■RAROC(Risk-adjusted Return on Capital):リスクの統合管理
3 信用リスクの評価法(1)
■信用リスク評価の難しさ
■格付け機関による格付け(rating)
■信用スコアリング・モデル
4 信用リスクの評価法(2)
■信用リスクモデルの発展
■信用リスクの価格モデル
■今後の課題
6 リスクの取引の新たな方法
1 証券化の仕組み
■証券化とは
■証券化の基本的仕組み
■証券化の意義
2 証券化の例
■MBS(Mortgage Backed Securities)
■ABS(Asset Backed Securities)
■保険リスクの証券化
3 信用リスクの取引
■信用リスクの管理と取引
■クレジット・デリバティブ
■CDO(Collateralized Debt Obligation)
4 天候デリバティブ
■様々なリスクの取引
■天候デリバティブ登場の背景
■気温デリバティブ
第3章 金融市場
1 金融市場の特徴
1 金融市場の果たす役割
■金融市場(financial markets)とは何か
■金融市場の機能
■価格を中心とする情報公示機能の重要性
2 金融市場の主要な参加者と証券の種類
■投資家と資金調達者
■証券会社
■デットとエクイティ
3 金融市場を構成するインフラストラクチャー
■取引処理機関
■規制機関
■情報提供機関
4 金融市場が実体経済に与える影響
■資金の適正な配分
■価格を通じた調整メカニズム
■世界的に高まる金融市場仲介の比重
5 流動性の意義
■流動性とは何か
■流動性はなぜ重要か
■流動性を維持向上する仕組み
6 金融市場の情報効率性
■情報効率性の意義
■効率市場仮説の3つのレベル
■アノマリーの意味するところ
7 金融イノベーションのダイナミクス
■機能面から見た金融イノベーション
■近年における金融イノベーションの拡散
■金融市場とイノベーションの親和性
8 金融市場のグローバル化
■国際資金移動の大半は証券投資資金
■高まる各国金融市場の相互依存性
■グローバル金融市場の脆弱性
9 戦後日本の金融市場の特徴(1)
■限界的な金融市場の役割
■発行市場と流通市場のリンクの遮断
■1970年代以降の漸進的な変化
10 戦後日本の金融市場の特徴(2)
■外圧の結果としての金融市場の機能向上
■漸進的アプローチの継続
■金融ビッグバンとその後
2 デット市場
1 短期金融市場(マネーマーケット)
■短期金利の形成される場
■中央銀行の金融調節の場
■わが国の短期金融市場
2 ベンチマークとしての国債市場
■政府の債務
■金利体系の基準を構成
■進展するわが国の国債市場整備
3 その他の公共債市場
■政府関係機関債(Agency Bond)
■地方債(Municipal Bond)
4 事業会社債(社債)
■多様な商品性
■利回りは信用リスクを反映
■わが国社債市場の特色
5 資産担保証券市場
■証券化の進展と資産担保証券
■資産担保証券を組成する経済的理由
6 債券デリバティブ市場
■金利リスクの取引市場
■わが国の債券デリバティブ市場
■新しいリスクの取引市場
7 機関投資家による債券運用の意義
■再投資リスクへの対処
■アクティブ運用
■委託者のニーズの変化への対応
3 エクイティ市場
1 株式発行市場
■エクイティ再論
■コストの高い資金源
■株式発行に伴う情報の非対称性の問題
2 株式流通市場
■株式投資はギャンブルか
■株価指数の果たす役割
■取引所取引・店頭取引
3 エクイティリンク債とデリバティブ市場
■エクイティリンク債
■株式関連のデリバティブ
4 投資信託
■仕組みと機能
■米国における近年の発展
■わが国の現状
5 企業支配権を巡る市場とわが国の株式持ち合い
■M&Aでプレミアムが支払われる理由
■M&Aとコーポレート・ガバナンス
■わが国の特徴
4 その他の市場
1 プライベートマーケット
■私募債市場
■プライベートエクイティ(未公開株)投資
■流動性が付与される方向へ
2 外国為替市場
■マネーの売買市場
■外国為替レートの決定要因
5 情報の非対称性と金融市場
1 情報の非対称性が引き起こす問題
■逆選択とモラル・ハザード
■逆選択と市場
■モラル・ハザードと金融契約
2 モジリアーニ=ミラーの定理
■資金調達の問題
■資金調達方法の無関連性命題
■現実的な修正
3 逆選択と資金調達
■資金調達のペッキングオーダー
■資金調達方法の選択とシグナリング
■スクリーニングと融資
4 モラル・ハザードと負債の効果
■負債と経営のインセンティブ
■負債のネガティブな影響
■負債のポジティブな影響
5 モニタリングと効率的経営
■銀行によるモニタリング
■株主によるモニタリング
■市場による規律付け
6 金融市場に関わる基本ルール
1 証券取引法の基本原則
■証券取引法とは
■投資家保護と投資家の自己責任
■金融市場の果たす機能との関係
2 情報開示
■情報開示(ディスクロージャー)義務の内容
■監査と会計基準
■IR(インベスターリレーションズ)の重要性
3 不公正取引の防止
■証券取引に関する詐欺的行為・相場操縦の禁止
■インサイダー(内部者)取引禁止
■受託者責任に基づくルール
4 規制の執行(1)
■エンフォースメントの重要性
■証券会社のコンプライアンス(法令遵守)体制
■自主規制と政府の規制機関
5 規制の執行(2)
■政府規制機関の具体的活動
■その他の投資家保護策
第4章 金融機関
1 預金取扱金融機関
1 金融システムと銀行の業務
■金融システムとは
■銀行とは
■金融仲介と決済
2 わが国の銀行制度(1)
■わが国の金融機関
■わが国の銀行
■長期信用銀行
3 わが国の銀行制度(2)
■銀行と証券の分離
■改正銀行法
■金融コングロマリット
4 地域金融機関
■地方銀行
■協同組織金融機関
■協同組織金融機関の目的
5 銀行のリスク変換機能とリスク分散
■資金移転のパターン
■リスク分散
■ロット・期間の変換
6 銀行の情報生産機能
■情報の非対称性
■貸出審査
■モニタリング
7 銀行の決済機能
■決済手段としての預金
■為替と決済
■ネッティング
8 リージョナルバンクとマネーセンターバンク
■リージョナルバンク
■マネーセンターバンク
■プライベートバンク
2 非預金取扱金融機関
1 リスクシェアリングと保険
■生命保険と損害保険
■リスクシェアリング
■リスクの種類
2 保険とモラル・ハザード
■公的保険と私的保険
■保険とモラル・ハザード
■保険と逆選択
3 生命保険
■保険料の計算
■責任準備金
■剰余金
4 損害保険
■損害保険の機能
■再保険
■損害保険料
5 わが国の保険会社
■わが国の保険業
■保険の販売
■ソルベンシーマージン比率
6 証券会社の業務と機能
■証券会社の業務
■発行市場における証券会社の機能
■マーケットメイクと市場流動性
7 わが国の証券会社
■戦前・戦後の資本市場と証券会社
■証券不況とブローカー業務
■オンライン証券取引
3 資産運用サービス業
1 信託
■信託の基本スキーム
■信託の種類
■貸付信託
2 信託業務の機能
■信託業務の機能
■土地信託
■遺言信託
3 資産流動化業務
■資産金融と証券化
■信託を使用した証券化
■金銭債権の流動化
4 年金業務
■わが国の年金制度
■確定拠出年金
■プルーデントマン・ルール
5 わが国の信託業
■信託分離政策
■信託分離政策の転換
■信託銀行の業務
6 投資信託
■投資信託の基本スキーム
■投資信託の種類
■投資信託の機能
7 投資信託業
■投資信託業
■不動産投資信託
■ETF
4 銀行規制・監督
1 規制体系の設計
■市場規律と規制体系
■規制体系の設計
■システミック・リスク
2 銀行のエージェンシー問題
■銀行のモラル・ハザード
■銀行と預金者の対立
■エージェンシー問題
3 事前措置と事後措置
■事前措置
■事後措置
■破綻処理
4 銀行の規制体系
■業務範囲規制
■アームズ・レングス・ルール
■預金保険制度と資金援助
5 銀行の破綻処理
■預金保険制度の変遷
■金融再生法
■破綻処理の枠組み
6 金融危機への対応
■金融危機安定化法
■金融早期健全化法
■預金保険法第102条
7 自己資本比率規制
■バーゼル銀行監督委員会
■自己資本比率規制
■BIS第2次規制
8 新BIS規制
■新BIS規制
■リスクアセット
■リスクと自己資本
9 早期是正措置
■早期是正措置の導入
■早期是正措置のプロセス
■新BIS規制の3つの柱
10 金融検査マニュアル
■金融検査マニュアル
■コンプライアンス
■リスク管理
11 銀行の債権区分
■信用リスクと債権区分
■金融再生法基準額
■自己査定基準額
第5章 金融政策
1 貨幣と信用創造
1 物々交換と貨幣経済
■なぜ人々は貨幣を需要するのか
■貨幣の一般的受容性
■貨幣は「バブル」
2 貨幣の機能
■交換手段
■価値保蔵
■価値尺度
3 信用創造(1)
■機能面からの貨幣の定義
■外部貨幣
4 信用創造(2)
■内部貨幣
■部分準備預金制度
5 信用創造(3)
■信用創造の仕組み
6 マネーサプライ
■貨幣と経済活動
■現金通貨と預金通貨
■貨幣乗数
2 中央銀行制度
1 中央銀行制度の創設
■政府の銀行
■発券銀行
■銀行の銀行
■中央銀行制度とは何か
2 独占企業としての中央銀行
■ベースマネーの独占的供給
■シニョレッジ
■名目金利操作
3 中央銀行と政府の関係
■インフレ課税
■インフレ・バイアス
■中央銀行の独立性
3 中央銀行の金融調節
1 金利か量か
■ベースマネーの需要曲線
■金利、マネーと経済活動
■需要曲線の不安定性
■主要な中央銀行の選択
2 金融政策の対象となる金利
■どの金利を操作するのか
■コール市場
■金利の期間構造
■金融調節の誘導目標
3 ベースマネー市場の均衡
■ベースマネーの需要
■準備預金制度の平均条項
■ベースマネーの供給
4 中長期金利の操作
■消費者や企業の意思決定
■いかにして中長期金利を操作するか
■市場の金利予想
■慣性型の政策運営
4 金融政策運営
1 金融政策の目標
■金融政策で何ができるか
■物価安定目標
2 最後の貸し手機能
■銀行取付け
■中央銀行による流動性供給
■国際的な「最後の貸し手」
3 金融政策の伝達経路
■金利チャネル
■信用チャネル
■その他のチャネル
4 金融政策に対する信認
■ディスインフレのコスト
■ディスインフレ政策への信認
5 金融市場と中央銀行
■市場予想への働きかけ
■金融政策ルール
■金融市場からの独立性
6 インフレーション・ターゲティング
■英国の経験
■「制約された裁量」
索引
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