目次

行動ファイナンス

市場の非合理性を解き明かす新しい金融理論
原書名 Behavioral Finance


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表紙




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第1章 市場の予測と投資家の心理
     ──ファンダメンタル分析、テクニカル分析、そして行動ファイナンス

   予測の難しさ/ファンダメンタル分析
   テクニカル分析
   テクニカル分析の限界
   心理的要因
   行動ファイナンス理論
   デルフォイの神託


第2章 投資家の行動は、本当に合理的か?
──欲望がもたらす非合理的な現実

   希望と恐れの狭間で:ある投資家の心理
   合理性の意味とは?:冷徹一郎氏の心理算術
   期待効用最大化
   合理性を満たす三つの条件
    ㈰偏りのない情報を完全に備えていること
    ㈪感情による判断の歪みがないこと
    ㈫効用関数の安定性
   合理的な意思決定と相反するもの


第3章 市場参加者は、膨大な情報をいかに処理するか?
──「ヒューリスティック」による意思決定

   複雑性を減少させるヒューリスティック
   事実の単純化
   心理勘定
   利用可能性
   情報の無視
   選択的認識
   対比効果
   提示順による効果:初頭効果とプライミング効果
   即座の判断に関するヒューリスティック
   アンカーリング
   代表性
   確率の過大推計
   経験的な関係の過大推測
   因果関係の過大評価/帰属理論


第4章 投資家は、利益と損失をいかに評価するか?
     ──「相対的」な評価とリファレンス・ポイント

   評価のリファレンス・ポイントと感応度逓減
   評価のモデル:価値関数
   リスクに対する態度はどう変化するか?:鏡映効果
   なぜ人は損失を放置するのか?
   処置効果
   サンク・コスト効果
   感応度逓減の法則と極端に大きい利益の評価
   心理勘定と評価の相対性
   サンク・コスト効果の経済的不利益
   感応度逓減の経済的不利益:レバー・ソーセージ効果
   粉飾:複数の勘定を操作する方法
   リファレンス・ポイント特定の難しさ
   確率評価の相対性
   時間が判断に与える影響


第5章 投資家は、自らの意思決定こそ正しいと考える
──調和とコントロールへの欲求がもたらすもの

   調和への欲求:不協和からの逃避
   「認知的不協和」とは何か
   意思決定の際にコミットメントが発生する理由
   選択の自由
   説明責任
   意思決定するための回収不能コスト、意思決定を撤回するためのコスト
   通常からの逸脱
   不協和からの逃避という欲求がもたらすもの
   選択的認識
   選択的意思決定
   評価と予想される不協和
   損失回避
   後悔回避
   損失回避と後悔回避への対処
   コントロールへの欲求
   コントロールへの欲求の重要性
   コントロールの五つの形態
    ㈰影響力を通じたコントロール
    ㈪予測を通じたコントロール
    ㈫影響力のある要素の認識によるコントロール
    ㈬事象の事後的説明
    ㈭ネガティブな結果の過小評価によるコントロール
   コントロールの三つの要因
    ㈰結果の規模と符号(プラスかマイナスか)
    ㈪不確実性
    ㈫意思決定の結果を個別評価で行うか全体評価で行うか
   コントロールへの欲求がもたらすもの
   コントロール・イリュージョン
   コントロールの欠如
   コントロールの欠如に対する評価:リスク回避
    リスク回避は合理的な行動か?


第6章 行動から見た市場参加者の分類
──本能タイプ、感情タイプ、理性タイプ

   脳の三位一体説
   合理性に関する五つの区分
    ㈰ヒューリスティック:未熟な行動をしてしまう
    ㈪評価の相対性:購入価格に過度にこだわる
    ㈫不協和からの逃避:すでに行った意思決定に過度に長期間こだわる
    ㈬コントロール・イリュージョン:自分のコントロール能力を過大に評価する
    ㈭コントロールの欠如:コントロール能力の欠如を過度に恐れる
   市場参加者の3タイプ
    ㈰直観に基づいて行動する「本能タイプ」
    本能タイプの市場参加者の典型例
    本能タイプの市場参加者の感応度プロファイル
    ㈪他人の目を気にして行動する「感情タイプ」
    感情タイプの市場参加者の典型例
    感情タイプの市場参加者の感応度プロファイル
    ㈫安全重視で慎重に行動する「理性タイプ」
    理性タイプの市場参加者の典型例
    理性タイプの市場参加者の感応度プロファイル


第7章 トレーディングで成功するために
──行動ファイナンスの応用

   市場に参加する「動機」は何か?
   「情報」をいかに用いるか?
   情報を交換する
   利用可能性に特有のリスクと選択的認識
   アンカーリングに特有のリスク
   代表性のヒューリスティックに特有のリスク
   「取引」のタイミングをどう決めるか?
   利益が出ているときの行動
   損失が出ているときの行動
   清算後の行動と将来のリスク行動に与えるパフォーマンスの影響
   中長期の市場参加者の行動
   「不協和」をいかに克服するか?
   意思決定を見直すことによる不協和の減少
   情報を選択し再解釈することで不協和を減らす


エピローグ

参考文献
推奨文献
監訳者あとがき
索 引



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梗概

投資家の意思決定が非合理的なのはなぜか?
金融理論と心理学の融合が、その謎を解き明かす──。
欧米で大いに注目を集める新たな金融理論を、実践的かつ理論的に説いた初めての書!



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著者紹介

ヨアヒム・ゴールドベルグ(Joachim Goldberg)
1983年より為替トレーダーおよびテクニカル・アナリストとして、ドイツの大手投資銀行で活躍。
実務のなかで金融市場における心理学を身近に感じるようになり、それが行動ファイナンス研究のきっかけとなった。
2000年にCognitrend社を設立。

リュディガー・フォン・ニーチュ(Rudiger von Nitzsch)
1960年ドイツのエッセンに生まれる。アーヘン工科大学で情報学および経済学を修了後、ドイツ大手銀行に勤務。96年に金融理論に関する論文で教授資格を得、以来アーヘン工科大学経営学部教授。
現在の研究の重点は、市場における心理学、企業の資金調達など。
著作・論文等多数。


監訳者紹介

眞壁昭夫(まかべ・あきお)
1953年神奈川県生まれ。76年に一橋大学商学部を卒業し、第一勧業銀行に入行。83年ロンドン大学経営学部大学院修士。市場営業部、資金証券部等を経て、99年より第一勧銀総合研究所主席研究員。信州大学経済学部、慶應義塾大学理工学部の講師も務める。
著訳書に『図解 これ以上やさしく書けない金融のすべて』(PHP研究所)、『資本コストの理論と実務』(共訳、東洋経済新報社)等がある。


訳者紹介

行動ファイナンス研究会
金融分野の最先端理論である「行動ファイナンス」を学ぶために集まった有志の会。
メンバーは、金融機関勤務者や大学院博士課程学生など。
本書翻訳では、柴山克行(野村総合研究所等を経て、現在LSE博士課程在学中)、田中みどり(元ドイッチェ証券勤務)が中心となり、他にも数名が協力した。



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