目次

暴走する世界

グローバリゼーションは何をどう変えるのか
原書名 RUNAWAY WORLD:How Globalisation is Reshaping Our Lives


[目次] [解説] [著者紹介] [関連サイト]


表紙




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はじめに

第1章 「グローバリゼーション」の本質

グローバリゼーションという言葉の登場
「懐疑論者」と「ラディカルズ」
グローバリゼーションの真の革命性
通信技術の発展がもたらしたもの
複合的現象としてのグローバリゼーション
共産主義の崩壊
不平等の拡大
貿易をめぐる難題
さまざまな「貝殻制度」
グローバル・コスモポリタン社会への適応


第2章 多様化する「リスク」

リスクという概念と言葉
前近代におけるリスク
近代化とリスクの関係
二つのリスク
「人工リスク」の多様さ
計算不能な人工リスク
「脅し屋さん」の必要性
科学の相対性
予防原則という手だて
リスクへの積極的な挑戦


第3章 「伝統」をめぐる戦い

ねつ造された「伝統」
伝統と近代
変化しつづける伝統
伝統と保守主義
グローバル・コスモポリタン社会における伝統
説得力ある正当化の必要性
凍結した自主性というワナ
うすらぐアイデンティティ
ファンダメンタリズムとはなにか
コスモポリタン主義者の覚悟


第4章 変容をせまられる「家族」

変化する「家族」
伝統的家族における女性と子ども
生殖から切り離されたセックス
カップルを中心とする家族
変化する結婚の意味
変化する子どもの位置づけ
「純粋な関係」と民主主義
情念の民主主義
「伝統的家族」を変えることの大切さ


第5章 「民主主義」の限界

多岐多様な民主主義
成熟への道のり
おしよせた民主化の波
民主主義のパラドックス
政治に対する新たな関心
求められる「民主主義の民主化」
グローバル化時代の真の民主主義へ
政府、市場、市民社会、そしてメディア
国民国家の枠組みを超えた民主主義
「暴走する世界」を統治しうるもの


【訳者解説】構造改革への処方箋

参考図書リスト
索 引



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梗概

私たちは、この危機を制御できるのだろうか──

秩序と安定を失いながら「変化」し続ける世界。このとめどなき「変化」の本質を、グローバリゼーション、リスク、伝統、家族、民主主義という5つのキーワードで読み解く画期的論考!

【訳者解説より】
◎本書は、21世紀の「最初の10年」を読み解くための5つのキーワード──グローバリゼーション、リスク、伝統、家族、民主主義──を、簡にして要をえた筆致で説き明かした、近年まれに見る優れた論考である。

◎5つのキーワードの意味と意義、そして、それらに予想される「変化」についてのギデンズの所説は、まことに正鵠を射ているのは無論のこと、これから訪れるであろう社会経済的な「変化」について考察するためのパラダイムを提供してくれる。

◎わが国の社会経済の構造改革を推し進め、それを経てのちの社会の見取り図を描くうえで、本書から学ぶところはまことに有意味である。グローバリゼーションの進展、リスクの高まりなどの「変化」に対し、わが国の経済社会を「適応」させる術を講じるために、できるだけ多くの読者を本書が獲得することを望みたい。



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著者紹介

アンソニー・ギデンズ (Anthony Giddens)
1938年ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学で社会学博士号を取得。同大学教授を経て、97年よりロンドン・スクール・オブ・エコノミックス・アンド・ポリティカル・サイエンスのディレクター(最高責任者)。現代の社会学を牽引する学者の一人であり、イギリスのブレア政権が標榜する「第三の道」の理論的主導者でもある。
著書に『第三の道』(日本経済新聞社)、『社会理論と現代社会学』(青木書店)、『国民国家と暴力』『社会学(第三版)』(以上、而立書房)等がある。


訳者紹介

佐和 隆光(サワ タカミツ)
1942年和歌山県生まれ。東京大学経済学部卒。スタンフォード大学研究員、イリノイ大学客員教授等を経て、現在、京都大学経済研究所所長、国立情報学研究所副所長。専攻は計量経済学、統計学、環境経済学。
著書に『経済学とは何だろうか』『地球温暖化を防ぐ』『市場主義の終焉』(以上、岩波新書)、『尊厳なき大国』(講談社)、『平成不況の政治経済学』(中公新書)、『漂流する資本主義』『経済学の名言100』(以上、ダイヤモンド社)等が、訳書にギデンズの『第三の道』(日本経済新聞社)等がある。



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