目次


日本の新たな「第三の道」

市場主義改革と福祉改革の同時推進


[目次] [著者紹介]


表紙




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まえがき


第1章 二一世紀の新たな社会モデル


1-1 産業構造の転換と社会変動——低炭素産業社会の到来
脱工業社会から新たな段階へ
きたるべき低炭素産業社会

1-2 市場経済・政府・市民社会のバランス
「自由市場主義」と「福祉国家主義」の統合
成果主義を導入した積極的雇用政策
モラル・ハザードの監視

1-3 柔軟な市場主義改革
企業家精神と成果主義
競争原理の導入は選択的に
民営化によらない公営事業の効率化

1-4 教育の新しい役割
「創造力」の生産——産業構造・労働市場の変化への対応
チャレンジ、再チャレンジ、生涯チャレンジを支援する人的資源政策
教育の社会的使命——市民社会が長期的視点から必要とする教養教育
求められる教育の質の向上


第2章 グローバル・ガバナンスの構築に向かって


2-1 グローバル化はもはや「事実」である

2-2 一次元的な世界の形成

2-3 グローバル化がもたらすリスク
減少し続ける雇用と労働民主主義の崩壊
交渉の場の喪失
欲求スパイラルのグローバル化と資源の枯渇
投機資本主義の混迷
グローバル企業の本社移転と国家の財政危機
グローバル化反対運動

2-4 新しいグローバル・ガバナンスにおける企業と国家の役割
グローバル・ガバナンスの必要性
国家の新たな役割
企業の新たな役割


第3章 「第三の道」と日本の選択


3-1 日本の現状と「第三の道」議論
「第三の道」とは何か
社会民主主義の近代化

3-2 「第三の道」の基本理念

3-3 日本とヨーロッパの制度比較
「第三の道」実践の軌跡
資本主義の多様性と比較制度論
日本型システムの問題点(1)——自由競争の排除
日本型システムの問題点(2)——企業依存の福祉制度と脆弱なセーフティネット
日本型システムの問題点(3)——政府機関の非効率
日本型システムの問題点(4)——リーダーの不足
文化と価値の継承
学校と家庭と市民社会

3-4 市場主義改革と福祉改革の同時推進
論理の飛躍を生む「格差社会論」
後発国の利点を生かせるか


第4章 「欧州社会モデル」からの教訓


4-1 「欧州社会モデル」とは
捉えどころのない欧州社会モデル
揺らぎ始めた「モデルの安定性」
新しい階級と社会的分裂
政策論争

4-2 ヨーロッパに学ぶべき一〇の教訓
(1)雇用創出
(2)税率
(3)労働市場の柔軟性
(4)知識経済
(5)教育と技術
(6)企業を支援する政策
(7)経済的不平等
(8)エコロジー
(9)高齢化
(10)公的サービスの改革

4-3 新しいモデルの課題と展望
改革への指針
新しい社会モデルの具体的な政策
不公正な競争と市民の不安
海外アウトソーシングの新しい形態
高まる改革への圧力


第5章 新社会への価値観変革——環境とポジティブ・ウェルフェア


5-1 低炭素産業社会への価値観変革
求められる価値観の転換
個人主義の改変
権利主張主義の撤収
持続する価値観(1)——脱物質主義
持続する価値観(2)——自然共生主義
持続する価値観(3)——自己実現主義
持続する価値観(4)——反権威主義
価値観のポジティブな面の活用

5-2 環境とライフスタイル変革
ライフスタイル変革とポジティブ・ウェルフェア
気候変動の脅威と市民意識
エネルギー・資源問題と日本の取り組み
グリーン・環境ビジネス——増える成功例と雇用の創出
インセンティブと制裁——市場メカニズムと規制の両用による解決
国境を越えたルールづくり


索引



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著者

アンソニー・ギデンズ(Anthony Giddens)
ハル大学卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)より社会学修士号、ケンブリッジ大学より社会学博士号(Ph.D.)を取得。ケンブリッジ大学教授(1985〜1997年)、LSEディレクター(最高責任者、1997〜2003年)を経て、現在、英国貴族院議員、LSE名誉教授。現代社会学の権威であり、トニー・ブレア政権の「第三の道」改革を理論的に主導したことで世界的に知られる。
著書に『第三の道』(日本経済新聞社)、『暴走する世界』(ダイヤモンド社)、『社会理論と現代社会学』(青木書店)、『社会学(第五版)』(而立書房)などがある。

渡辺聰子(わたなべ・さとこ)
東京大学社会学科卒業。米国ボストン大学大学院博士課程を修了。ボストン大学より社会学修士号、社会学博士号(Ph.D.)を取得。国際大学助教授を経て、1997年より上智大学総合人間科学部社会学科教授、現在に至る。英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員教授、(独)国立環境研究所客員研究員、経済産業省産業構造審議会委員、文部科学省科学技術学術審議会委員などを務める。
著書に『グローバル時代の人的資源論』(東京大学出版会)、『ポスト日本型経営:グローバル人材戦略とリーダーシップ』(日本労働研究機構)、『生きがい創造への組織変革』(東洋経済新報社)などがある。


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