目次


現代語訳 経営論語

渋沢流・仕事と生き方


[目次] [著者紹介]


表紙




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曽祖父・渋沢栄一の遺したもの──序に代えて/渋沢栄一記念財団 理事長 渋沢雅英
道徳と商売の両立/三井文庫 文庫長、渋沢栄一記念財団 理事 由井常彦


第一章◎『論語』と実業


事業は人なり/偉大な常識家孔子


第二章◎私の青年時代


一揆を目論む/一橋家に仕える/官を辞して


第三章◎争いのすすめ


「礼」とは何か/機略はあるが経略のない秀吉/人間性を無視すれば/争いこそ進歩の源泉/争いを避けて卑屈となるな/維新指導者の争いぶり


第四章◎人物を見抜く基準


人物の見分け方/人の安んじるところを知れ/真の大人物とは/過失を見て性行を知る/定見なき三条実美/人材を得るには/君子は容易に欺かれる/讒言を見抜く「明」/批評の基準


第五章◎人に接する法


人間関係の基本/知らないことを知らないという勇気/「下問を恥じず」/家康の下問/他人の意見/上役の意見に同意できない時/交際の基礎に敬意を/岩崎弥太郎との仲違い/効果ある説得法/話術の機略/直言は「仁」か「暴」か/直言して大久保利通に嫌われる


第六章◎生活と信条


「三省」すれば記憶力を増す/思慮なき勇気/暴虎の勇/浅野総一郎の人物/自分一人が清くとも/山鹿素行の朱子学批判/知恵より大切なもの/理を通す/誘惑に負けぬ心/昂然の意気/芸に遊ぶ余裕/円朝と九代目団十郎/「佞」を排す/木戸孝允の人物鑑識法/過失に二種類あり/悲観の井上、楽観の大隈/決断の遅速/人の評価は晩年で決まる/常識万能は気概を欠く/みっともない自己弁護/義を見て為さざるは/不義を見て為さずの勇


第七章◎『論語』算盤説


きれいなカネ、きたないカネ/朱子学の系譜/企業の社会的責任/投機と商売の違い/目先の利益にとらわれるな/古河市兵衛を信用した理由/名将は撤退上手/ひとり赤字会社で奮戦/贅沢とケチ


第八章◎教育のあり方


家庭教育について/つめ込み教育は無益/学問の目的は就職のためか/信ずれば貫け/困りものの売名学者/努力する人、しない人/進歩は直線的ではない/軍備だけで国防はできぬ


第九章◎私の孔子観


孔子政治家説について/政治は目的か手段か/世界の名著『論語』



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著者

渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)
1840年、現在の埼玉県深谷市に生まれる。6歳頃より四書五経、漢学、陽明学を学ぶ。なかでも渋沢の人格を鍛えたのが『論語』であり、生涯「事業と道徳の一致」、すなわち「論語と算盤」の一致を推奨した。1864年、24歳で一橋慶喜に仕え、1866年に慶喜が将軍となったため幕臣となる。1867〜68年渡欧。1869年、出資を一般公募し、日本最初の株式会社ともいわれる「商法会所」を設立し成功。同年新政府へ移り、大蔵省へ出仕。大隈重信、井上馨らの下で大蔵省の組織・財政改革に努める(後年、大久保利通と衝突し井上馨と共に野に下る)。1873年、第一国立銀行を創設。東京海上火災保険、清水建設、王子製紙、新日本製鐵、サッポロビール、帝国ホテル、東京商工会議所、東京証券取引所など、創設に関わった企業・団体は日本近代産業のあらゆる分野に及んでいる。実業界のみならず、日本赤十字社、東京市養育院、聖路加国際病院などの社会福祉事業や医療事業、一橋大学、日本女子大学などの教育事業のほか、民間外交、道徳風教の刷新などにも力を注いだ。91年の生涯に携わった事業は実業分野が500余、社会福祉、教育などの社会公共事業が600余、合わせて1000有余を数え「近代日本資本主義の父」と呼ばれる。著書に『雨夜譚余聞』(小学館)、『論語講義1〜7』(講談社学術文庫)、『青淵百話』(同文館)、『論語と算盤』(国書刊行会)など。正二位勲一等子爵。雅号は青淵(せいえん)。

監修者

由井常彦(ゆい・つねひこ)
三井文庫常務理事・文庫長、明治大学名誉教授。1955年東京大学経済学部卒業。1960年同大学院修了。経済学博士。明治大学経営学部教授、文京学院大学大学院経営学研究科教授を歴任。現在、日本経営史研究所名誉会長をはじめ、渋沢栄一記念財団など多くの財団の理事を務める。著書に『都鄙問答』『安田財閥』(いずれも日本経済新聞社、1993年、1986年)、『大企業時代の到来』(岩波書店、1995年)、共著に『革新の経営史』(有斐閣、1995年)、『豊田喜一郎伝』(名古屋大学出版会、2002年)、『日本の経営発展』(東洋経済新報社、1977年)など多数。


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