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推薦にかえて 東京大学大学院経済学研究科教授 藤本隆宏
まえがき
第1章 業務改革 —— 取り組みの経緯とその本質
1 流通業界の変遷とイトーヨーカ堂の業務改革
1 戦後日本のチェーンストアの変遷
2 イトーヨーカ堂の沿革と業務改革
2 業務改革取り組みの前夜
1 業務改革前夜
2 荒天準備態勢
3 業務改革のスタート
1 業務改革は日常業務として推進
2 業務改革を始めた背景
4 業革委員会が示した具体的施策内容
1 死に筋商品の排除から始まる7つのステップ
2 単品管理を通した仮説と検証
3 未納率、在庫日数が激減
4 あえて理想的な目標を掲げる
5 高度成長モデルから低成長モデルへの転換
5 業務改革の経過
1 業務改革の3つの段階
6 業務改革の特徴と評価
1 ネガティブな死に筋の排除から入った
2 仮説と検証の経営を徹底
3 業革会議における経営と現場の生情報のやり取り
4 現場人材への権限委譲
5 イトーヨーカ堂の業務改革の本質
6 イトーヨーカ堂ケース開発者ほかの評価
第2章 現場管理 —— 業務改革の取り組み事例
1 業務改革下における現場管理
1 買いたい店づくり・良い商品の品揃え
2 青果から店へ売価設定権限を委譲
3 販売意思決定の権限委譲
4 店への予算権限の委譲
2 90年代以降の変化への対応
1 不確実性の上昇と機会ロス・値下げロス
2 商品・発注・販売・売場計画の精緻化
3 マーチャンダイジングによる差別化
4 パートを巻き込んだ商品開発と売り場づくり
5 個店別・地域別マーチャンダイジングの確立
3 新しい時代に対応するマーチャンダイジングとマネジメント
1 モノ余り時代におけるマーチャンダイジング
2 日米で異なるコスト構造
3 接客の充実と新しい売り場づくり
4 価値創造への挑戦
5 業務改革と組織能力構築
第3章 単品管理 —— 深層の競争力を創る
1 単品管理の重要性
1 「単品」とは顧客の選択肢のジャスト・オンリー・ワン
2 発注権限の分権化
2 2大ロスの課題認識
1 機会ロス…品切れ
2 値下げ・廃棄ロス
3 単品管理の基本
3 発注の流れとその要点
1 きめ細かい明確な仮説設定から
2 自店の特性を把握する
3 売れる条件を作る
4 死に筋商品の排除
5 仮説・検証の横展開
4 店頭における基本と最適化への条件
1 組織と権限
2 売上を上げるには
3 品揃えの最善化
4 発注の精緻化
5 全アイテムの単品管理
6 毎日実行
5 経営の質は在庫回転率に反映される
6 多能工化
7 仮説・検証という組織活動
第4章 イトーヨーカ堂の経営の本質 —— その理論的検証
1 業革のゴールとステークホルダーからの視点
1 業革のゴール
2 ステークホルダーにとっての業革
2 経営における適合対象
1 顧客への適合
2 競争への適合
3 組織への適合
3 マネジメント・システムとマーチャンダイジング
1 使命・目的・目標
2 マーチャンダイジング(MD)政策の立案
3 現場での政策実行
4 MDサイクル
4 単品管理経営
1 売れる条件づくり
2 毎日の発注・売り場の微調整・再設計
3 問題点の把握と解決
4 仕組みの改革
5 環境・戦略・組織・マネジメントコントロール
1 歴史的位置づけ
2 業革のステップ
3 思想の客観性
4 具体的業革思想
5 マネジメントコントロール
6 P・F・ドラッカー理論との比較
1 顧客の創造
2 事業機能
3 資源制約
4 利潤
7 仮説・検証の精度向上
1 死に筋排除の目的と制約条件
2 仮説を立てる目的は小売業の科学化
3 イトーヨーカ堂の仮説・検証は後追いか
8 補論
1 企業別の単品管理の独自性
2 企業存続のための新陳代謝
3 製造業と流通業のものづくりの違い
第5章 流通業の明日を拓く —— 仮説と問題提起
1 不振の原因
1 経営環境の変化
2 経営管理手法のほころび
3 POSがもたらす負の面
4 カテゴリー・マネジメント
5 単品管理とカテゴリー・マネジメントの両立の必要性
6 日本の流通風土との政策のミスマッチ
7 幸せを運ぶ鳩のマークの消滅
2 小売業の未来のための仮説と問題提起
1 厳冬が続く小売業
2 揺れた流通政策、「規模の経済」を妄信
3 小売業界にM&Aはなじまない
4 過度な鮮度競争の矛盾
第6章 中国事業 —— 異文化への経営の移転
1 事業開発
1 初動と進出の意図
2 96年1月当時の国務院方針
3 イトーヨーカ堂への期待
4 各種契約交渉
5 中国パートナー・高官の啓蒙
6 契約調印
2 事業の展開
1 成都に1号店
2 華糖ヨーカ堂の設立
3 開店後の状況
4 02年まで続いた課題
5 06年現在の展開状況
3 内外の評価
4 経営の特徴
1 人的側面
2 マーチャンダイジング
3 組織
4 出店・財務
5 多くの失敗と対策
1 強い円の逆転
2 人口の過大評価
3 市場価格のない高い家賃
4 地方案件の良し悪し
5 資金不足
6 小売業から見た中国
1 中期的な拡大基調が続く消費市場
2 小売企業の現況
3 小売業の課題
あとがき
参考文献
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