目次


教育

不可能なれども


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに 教育問題に「解」はなし


第一部 惨たり、教育の現状

1 民主「主義」が「いじめ」の根因

「いじめ」は汎社会的にして通歴史的
民主「主義」が子供たちの恣意を野放しにする
「公平な観察者」はどこにいるのか

2 自由「主義」が「引き籠もり」を助長する

「引き籠もり」は合理的な行動なのか
意思疎通が「表現の自由」を揺るがすという矛盾
失敗せり、ホモ・ソシオロジクスの管理教育

3 「ゆとり」も「詰め込み」も学力低下を招く

「忙しいとはいわない」のが人間の交際の作法
専門主義が「不活動モラトリアム」の元凶

4 「刷り込み」だけでは状況への反応力が育たない

「悪いことは悪い」と決まっているのか
「絵の本質は額縁にある」
平等主義が統計主義の母
結果に責任を持てないのが教育

5 不可能な徳育が大事、可能な知育は小事

学習になぜ独学が必要なのか
「やる気」のためには教室が必要
公徳心が「やる気」の基盤
私語と沈黙に覆われた日本列島


第二部 覚悟せよ、教育再生の大困難

1 教育と教養のあいだの深い溝

大衆の専門教育が教養を根こそぎにする
実学と虚学の皮膜のあいだ

2 文学と数学への想像、そして古典への洞察

「経験」文学が感性を錬磨してくれる
数学は「秩序は混沌に勝る」と教えてくれる
新聞は忘れられる、古典は思い出される
原理の現れは「時処位」に応じて変貌す

3 言葉の「まねび」が意志の「はこび」

国語の習得にもとづいて外語の手習いへ
隠喩と換喩の平衡、それが巧みな言葉づかい
話、読、書、考は連関している

4 教科の要諦は国語・歴史と倫理学・解釈学

小学校では国語科目を中心に
中学校では歴史科目を中心に
高校では道徳物語を中心に

5 制度弄りに狂奔するなかれ

進学率が高すぎる
学習塾が子供の頭を鋳型にはめる
PTAは母親たちの井戸端会議場
教育委員会という廃墟
改正教育基本法は空念仏に終わる
「社会奉仕」を子供に強いる資格が大人にあるのか
学校警察を迎えざるをえなくなる


おわりに 「笑いながら死ぬ」ための教育



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著者

西部 邁(にしべ・すすむ)
1939年、北海道生まれ。1964年、東京大学経済学部卒業。横浜国立大学経済学部教授を経て、東京大学教養学部助教授そして教授。『経済倫理学序説』(中央公論社)で吉野作造賞(1983年)、『生まじめな戯れ』(筑摩書房)でサントリー学芸賞(1984年)を受賞。第8回正論大賞受賞(1993年)。1988年3月、東京大学教授を辞任。現在、評論家として旺盛な言論活動を展開し、1994年春より、月刊オピニオン誌『発言者』の主幹および2003年4月より秀明大学学頭として活躍中。
著書に、『大衆への反逆』(文藝春秋)、『思想史の相貌』(世界文化社)、『死生論』(日本文芸社)、『思想の英雄たち』(文藝春秋)、『知性の構造』(角川春樹事務所)、『寓喩としての人生』(徳間書店)、『虚無の構造』(飛鳥新社)、『福澤諭吉』(文藝春秋)、『反米という作法』(共著 小学館)、『国民の道徳』(扶桑社)、『人生の作法』(飛鳥新社)、『獅子たりえぬ超大国』(日本実業出版社)、『愛国心』(共著 講談社)、『あほ腰抜けビョーキの親米保守』(小林よしのりとの共著 飛鳥新社)、『わが憲法改正案』(ビジネス社)、『学問』『無念の戦後史』『核武装論』(講談社)、『武士道と日本人』(角川春樹事務所)、『人生読本』(ダイヤモンド社)など多数。


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