目次

はじめに

「プロ経営者」は経営する
ドラッカーが指摘した「日本企業の弱点は経営トップ」
経営の全体像とトップの６つの仕事
戦略の決定要素＝経営理念
ビジネスモデルを構成する利益方程式の重要性
経営教育は好きな経営者のベンチマークから

第１章　孫 正義

　　　　巨大財閥をもくろむ大欲のアントレプレナー

「発明するプロセス」の発明家
時価総額200兆円財閥という野望
情報革命のインフラだった「ジフ＋コムデックス」
人脈から探し出したヤフー
ユニークなビジネスが生まれる組織体へ
Ｙａｈｏｏ！ＢＢが起こした日本のブロードバンド革命
世界がリスペクトした日本のガラパゴス携帯
「犬のお父さん」と「ｉＰｈｏｎｅ」で快進撃
通信設備投資を最小限にして競争に勝つ
再びシリコンバレーへ、そしてロボット、インドへ
後継候補者に一六五億円の報酬
幼少体験と猛勉強で身につけた経営の素養

第２章　松本 晃

　　　　「右手に基本、左手にクレド」のシンプル経営実行者

経営をシンプルにする
様変わりしたカルビーの経営業績
コスト・リダクションとイノベーション
やりすぎの経営を基本に戻す
フリーアドレスで見える化した経営の無駄
社内競争を促し全員経営へ
シェア拡大への強い競争意識
基本を徹底した海外進出
松本を支えるＪ＆Ｊのクレド
クレドは“魔法の杖”
「White Space」と「夢」をテーマに人材育成

Column　ＢＳ（貸借対照表）とＰＬ（損益計算書）の関係
会計は経営を読み解く必須スキル
経営者の特徴と戦略を映す鏡

第３章　永守重信

　　　　電動モーターに人生を賭けるエバンジェリスト

「子分にしたる！」
幾多の経営危機を乗り越える
若い頃から財務を猛勉
「他社ができないことをやります」
なぜ永守のＭ＆Ａはうまく行くのか
コストに厳しい３つの改革手法
「モーター」に人生を賭けた本田と永守
100年企業に残されたテーマ

第４章　似鳥昭雄

　　　　猛勉を続ける執念のオープン・イノベーター

漢字で名前を書けない劣等生？
29期増収増益を快走中
ユニクロを上回る効率の良さ
優秀な人材を使う力
「脇の甘さ」と「朝令朝改」が真骨頂
叱られっぱなしの師匠・渥美俊一
人たらしの教育者
ハラハラドキドキ、サスペンス

Column　Ｍ＆Ａの成功確率
成功の定義は何か
日本企業でＭ＆Ａが増加する背景
ＧＥの手法を踏襲した藤森流改革

第５章　新浪剛史

　　　　自ら「やってみなはれ」続けるイントラプレナー

サントリーに迎えられた「やってみなはれの人」
ダイエー中内㓛との出会い
手を挙げてつかんだローソンのトップ
圧倒するセブンと勝てないローソン
セブン−イレブンは食品のアップル？
Ｍｅ−Ｔｏｏ戦略から差別化戦略への転換
ＰＯＳシステムが生み出す競争優位
新浪が作ったローソンの経営理念
ローソンの再生を長く待ち続けた商事
アントレプレナーよりイントラプレナーを作る

第６章　岡藤正広

　　　　言霊パワーを駆使するビッグビジネス・リーダー

「ひとりの商人、無数の使命」
手の届く目標で社員を鼓舞する
商社No.１を目指す！
中国を面で包み込む戦略
収益の三割を中国ビジネスで稼ぐ
商社ビジネスの変遷
まだ高い三菱商事の壁？
商社の明暗を分けるマネージ力
辛い体験が言葉を磨く
「言霊の幸ふ会社」を目指して

第７章　星野佳路

　　　　お客と社員の「おもてなし」プロフェッショナル

裏方スタッフが生んだ絶景「雲海テラス」
「リゾート運営の達人」とは？
社員が楽しく仕事ができる環境を作る
タヒチやバリでもコンセプト委員会
顧客満足度の高い旅館から潰れる実態
初期設計がその後を決めるリゾート・ビジネス
世界のホテルビジネスの常識を使う
サイエンスと経験で学びアートで花開く経営
日本の観光をヤバくする

おわりに　プロ経営者たちは勉強している

著者

山根 節（やまね・たかし）
1973年、早稲田大学政治経済学部卒業。74年、監査法人サンワ事務所（現トーマツ）入社。82年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了後、コンサルティング会社を設立。
慶應義塾大学ビジネススクール教授（現名誉教授）を経て、2014年から早稲田大学ビジネススクール教授。
商学博士。専門は、会計管理、経営戦略、マネジメント・コントロール。
著書に『「儲かる会社」の財務諸表』、『経営の大局をつかむ会計』（ともに光文社新書）、『MBAエグゼクティブズ』（中央経済社）、共著に『ビジネス・アカウンティング〈第3版〉』（中央経済社）、『なぜ、あの会社は儲かるのか?』（日経ビジネス人文庫）などがある。