「先生が患者ならどうします?」
「先生が患者ならどうします?」
書籍情報
- 岡田正彦 著
- 定価:1430円(本体1300円+税10%)
- 発行年月:2015年07月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:232
- ISBN:978-4-478-06500-6
内容紹介
病気になったときに頼るべき医師にも、実は本音と建て前があったとしたら……。患者に出すクスリを家族には絶対出さない、人間ドックや健康診断で早期発見・早期治療をしても寿命が延びるわけではない。医療統計の第一人者である著者が、あらゆる医療を「医者はウソをつくけど、数字はウソをつかない」を軸に斬っていく
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目次
はじめに 何をどう選べば、私たちは健康で長生きできるのか
序章 医者はウソをつくが、数字はウソをつかない
信じられるデータ、信じられないデータ
これが本当に信じられる最新の統計学だ
不都合な真実が引き起こした悲劇
巧妙に隠された、製薬会社と医療界の癒着
情報を歪めている張本人を突き止めろ
第1章 医者には自分の命を安心して任せられる治療法がある
病院ランキングは巧妙に歪められたデータの塊
「最先端の治療」も「昔からの治療」も再発率は同じ
選ぶなら「大病院」の「偉い先生」は間違い?
有名なクスリだから飲んでも大丈夫、は危険?
その抗生物質は医師・病院の保身のために処方されている
医者が処方したクスリは安全、ではない
新薬を試したがる医者を信用してはいけない
医師から勧められた治療法は全て試してみるべきか
医師の「じゃあレントゲンを撮りましょう」に注意しろ
延命効果がある抗がん剤は、実は存在しない
第2章 僕には家族が病気になっても絶対飲ませないクスリがある
血圧のクスリは製薬企業への献金のために処方される
高血圧のクスリを飲んでも健康寿命は延びない
糖尿病のクスリを飲むと心臓病・脳卒中の死亡率が64パーセント高まる
クスリを飲まずに糖尿病を治すチャンスがある
40歳以上の女性はコレステロール値を下げなくていい?
飲めば飲むほど死亡率の高まる謎のクスリとは
胃腸薬を飲み続けると骨折のリスクが22パーセント上昇する?
睡眠薬を飲みすぎるとかえって眠れなくなる
骨粗しょう症のクスリには骨折と心臓病の危険性が!
認知症は「早期発見・早期治療」しても効果なし
医師が処方する死亡率が60パーセント増えるクスリとは
サプリメントは百害あって一利なし
安いから「ジェネリック医薬品で…」が自分の命を危険にさらす?
クスリを飲むほど寿命が縮まる
「クスリは飲みません」のひとことで寿命が延びる
第3章 なぜ僕は家族に定期健診・人間ドックを受けさせないのか
定期健診を受けた人のほうが寿命が短い
人間ドックは10人中9人以上に「要精密検査」
日本人のがん死亡の4.4パーセントはレントゲン検査が原因
レントゲン検査は、発がん原因の第4位
肺がん検診を受けた人のほうが肺がん死亡率が1.27倍に
CT検査を受けた子供は、がんの割合が24パーセント大きくなる
胃がん検診の有効性を証明したエビデンスは存在しない
10人に1人が間違って診断される乳がん
「早期発見、早期治療」という主張には、実は根拠がない
早期発見、早期治療、さらに最先端治療でもがんの死亡率は変化なし
血管年齢がわかったところで、動脈硬化は防げません
脳ドックを受けたばかりに死亡・寝たきり・後遺症の確率が12パーセント以上に!?
外国ではブームが去ったメタボ。でも日本でメタボ健診がやめられない事情
週に5時間以上の運動で認知症になる確率が1/5に
検査より、手術より、最先端技術よりも寿命を延ばすもの
おわりに
参考文献
著者
岡田正彦(おかだ・まさひこ)
新潟大学名誉教授・医学博士。1972年に新潟大学医学部卒業。1990年に同大学教授となり、動脈硬化症、予防医療学などの研究に従事。LDLコレステロールの測定法を世界に先駆けて開発。循環器専門医(〜2011年)、米国心臓学会プロフェッショナル会員など。2002年に臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」を受賞。文部科学省・大学設置審議会の専門委員、米国電子工学会・論文誌の副編集長、日本生体医工学会・論文誌の編集長などを歴任。2012年より新潟大学名誉教授、水野記念病院常務理事。著書に、『人はなぜ太るのか─肥満を科学する』(岩波新書)、『がんは8割防げる』(祥伝社新書)、『薬なしで生きる〜それでも処方薬に頼りますか〜』(技術評論社)、『検診で寿命は延びない』(PHP新書)など。日本経済新聞にコラム『ほどほど健康術』を1年間連載。