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中国民主化研究

  • 紙版

中国民主化研究

書籍情報

  • 紙版
  • 加藤嘉一 著
  • 定価:2640円(本体2400円+税10%)
  • 発行年月:2015年07月
  • 判型/造本:46上製
  • 頁数:544
  • ISBN:978-4-478-03923-6

内容紹介

2021年に創立100周年を迎える中国共産党。8000万を超える党員のトップであり、中国人民13億人の頂点に君臨する人物こそ、紅い皇帝・習近平である。習近平は、負の遺産を清算し、中国に変革をもたらすことができるのか。内政・改革・外圧という3つの視点から、中国民主化の行く末をひも解く。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

序章 中国民主化研究とは中国共産党研究である

民主主義とは何か
いまや民主化の潮流を無視できない
「内政」「改革」「外圧」という3つの視座

第1部 内政

第1章 中国共産党

全人代と人大代表
政協が果たす役割
「章程」から読み解く3つのポイント
切り捨てられる中産階級
共産党にとって民主化は手段にすぎない

第2章 共産党の正統性

共産党の歴史は終わりを迎えるのか
西側知識人の“輸入”で正統性を強化
3つの要素で中国政治を考える
“悪い皇帝”問題を解決できるのか

特別対談 フランシス・フクヤマ×加藤嘉一
     中国に「歴史の終わり」はやってくるか

第3章 4つの軸で考える共産党政治

「安定」と「成長」を優先した胡錦濤政権
「公正」は先送り、「人権」は後退
習近平が「公正」を優先すべき3つの理由
国務院総理・李克強の人物像に迫る
習近平と李克強、それぞれの役割

第4章 「中国夢」と「百年恥辱」

「中国夢」とは何か
劉明福が語る米中関係と民主化
「4つの全面」と中国夢
習近平は「百年恥辱」を乗り越えるか

第5章 老紅衛兵・習近平の政治観

革命党から執政党への転換
習近平が推し進める「群衆路線」
老紅衛兵・習近平は実父を超えられるか
習近平の政治観の裏側

第2部 改革

第6章 鄧小平から習近平へ

実父・習仲勲の生誕100周年
真の目的は鄧小平の総括にあり
鄧小平をいかに評価するか
毛沢東政治に評価を下した鄧小平
習近平は鄧小平を超えられるか

第7章 天安門事件と習近平時代

中国が直視できない暗黒の歴史
天安門事件をめぐる現状と展望
異端児・習近平の8つの特徴
抜本的な政治改革に取り組めるか
習近平時代が最後のチャンス

第8章 反腐敗闘争

薄煕来事件
薄煕来の失脚は何をもたらしたのか
反腐敗闘争が目玉政策とされた理由
周永康“落馬”が意味すること
共産党の党紀は国法を超越する
反腐敗闘争のこれから
改革を左右する3つの視点

第9章 胡錦濤時代の負の遺産を清算する

揺るがない共産党の一党支配
三中全会の「公報」と「決定」がもたらす影響
胡錦濤時代からの脱却
地方の改革で生じる葛藤
習近平が取り組む6つの改革
中国に法治主義を根づかせることはできるのか
「党の領導」という現実
誰も習近平の支配からは逃れられない

第10章 愛国心とナショナリズム

高まり続ける官僚たちの不満
シンガポールモデル
愛国主義がカギを握る
中華民族という「想像の共同体」
愛国心とナショナリズムの分離

第3部 外圧

第11章 香港“普通選挙”の是非

中共主導の“普通選挙”への反発
“反中”デモは中国に何をもたらしたのか
水面下で衝突する中共と香港
なぜ普通選挙法案は否決されたのか

第12章 台湾と中国人

民主化をめぐる台湾と中国の攻防
民間レベルで交流が進む中台
“台湾ナショナリズム”
中国人と民主化は共存する
台湾は中国に民主化をもたらすのか

第13章 中国人留学生

国内で強化される思想・言論の引き締め
「意見」で民主化は後退した
留学先でも共産党を無視できない
ハーバード大生の祖国観
中国人留学生は民主化をうながすのか
愛国化する学生と米中交流の限界

第14章 超大国・米国の思惑

習近平がオバマに明かした民主観
「ニューヨーク・タイムズ問題」
米国は中国の民主化を望まないのか
文化体制改革と米国の関係
米国の世紀は終わったのか

第15章 反日と中国民主化

民主化で反日は緩和されるのか
反日と中国共産党の正統性
抗日から建国の論理が弱体化する理由
反日を超えた先にあるもの
日本には何ができるのか

終章 中国人民は変わるのか

「内政」から見た民主化
「改革」から見た民主化
「外圧」から見た民主化
中国人民みずからの変化が不可欠である

おわりに

人名索引

事項索引





著者

加藤嘉一(かとう・よしかず)
ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員。
1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012〜2014年)を経て、2014年6月より現職。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。
日本語での単著に、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)、『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)などがある。

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