12大事件でよむ現代金融入門
12大事件でよむ現代金融入門
書籍情報
- 倉都康行 著
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2014年10月
- 判型/造本:4/6並製
- 頁数:302
- ISBN:978-4-478-02854-4
内容紹介
今こそ、危機に学べ! ニクソン・ショック、プラザ合意、ブラック・マンデー、日本のバブル、ポンド危機、アジア危機、ITバブル、リーマン・ショック、ユーロ危機…過去に起こった11の金融危機から、現代のグローバル経済の仕組みと、そこに至る歴史的背景がみえてくる。次の震源地は果たしてどこに?
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目次
はじめに
第1章 ニクソン・ショックの衝撃
現代経済が“金離れ”したとき
1 1971年8月15日:ドルと金の交換はなぜ停止されたのか?
2 ドルが主役になったブレトン・ウッズ体制を振り返ろう
3 ベトナム戦争でアメリカが受けた本当の痛手
4 ドル不安はどのように高まっていったのか
5 察知していた欧州と、蚊帳の外だった日本
6 スミソニアン協定後の変動相場制は理想的か
解説コラム──為替相場
第2章 中南米危機にみる累積債務問題の重石
原油が世界をかき回す
1 1982年8月17日:メキシコ発! 新興国危機の共通点
2 奇跡を遂げたブラジル・モデルの挫折
3 新興国危機の背中を押したオイルショックとオイルダラー
4 債務危機に拍車をかけたもうひとつの石油問題
5 ブラジルが強気にモラトリアム宣言できた理由
6 ベイカー構想後のブレイディ構想が呼んだ証券化時代
解説コラム──シェールガスとオイルマネー
第3章 プラザ合意の落とし物
強いドルはアメリカの国益?
1 1985年9月22日:ドルの下落幅は想定どおりだったのか?
2 プラザ合意の裏にあった「レーガノミクス」
3 日米貿易摩擦の背景にあったアメリカ企業の競争力低下
4 日米円ドル委員会で日本が金融開国を迫られたのはなぜか?
5 為替市場介入の限界
6 ドル安はどのように日本のバブルを生んだのか?
解説コラム──アメリカの人民元安批判
第4章 ブラック・マンデーの悪夢
リスク・マネジメントの始まり
1 1987年10月19日:アジアや欧州でみられた「悪夢の予兆」
2 暴落の背景にある「ポートフォリオ・インシュアランス」とは?
3 超安定化をもたらしたグリーンスパン議長の登場
4 ブラック・マンデーの遠因に西ドイツの反骨精神
5 財テクの嵐のなかで起きたタテホ・ショック
6 リスク・マネジメントの始まりと限界
第5章 日本のバブル崩壊による痛手
邦銀の凋落がはじまった
1 1989年12月29日:日本株の絶頂は転落の序章だった
2 1980年代の栄光と1990年代の挫折
3 金融破綻のドミノ現象が始まった
4 市場感覚の欠如が招いた不幸
5 邦銀にとっての市場ビジネス
6 海外業務における市場感覚の欠乏
解説コラム──不動産バブルは再発するか
第6章 ポンド危機で突かれた欧州通貨制度の綻び
ヘッジファンドの台頭と通貨制度の脆弱さ
1 1992年9月17日:ソロスはなぜポンドを狙ったのか?
2 欧州通貨制度が生まれるまでの歩み
3 欧州通貨制度を脅かしたドイツ統一
4 台頭するヘッジファンドとは何者か?
5 ユーロがはらむ「国際金融のトリレンマ」
6 欧州通貨危機に巻き込まれた北欧
解説コラム──ドイツと日本
第7章 P&Gなど事故多発…デリバティブズの挫折
金融工学の暴走とリーマン危機への伏線
1 1994年2月22日:P&Gのデリバティブズ事故はどのように起こったか?
2 市場も唖然としたスワップと銀行のモラル喪失
3 汚されたデリバティブズ機能
4 銀行のインセンティブ
5 世界に広がるデリバティブズ事故
6 管理か育成か
第8章 アジア通貨危機で再び新興国の連鎖破綻
新興国リスクとドル依存体制の限界
1 1997年5月14日:タイ・バーツ売りの背景とは?
2 飛び火したマレーシアが採った独自策
3 アジア諸国への連鎖反応
4 IMF批判とドル体制の問題を考える
5 ロシア危機とヘッジファンドLTCMの挫折
6 ブラジルへ伝播し、危機は地球を一周した
解説コラム──バンコールとSDR
第9章 ITバブル崩壊の狂騒
「ニュー・エコノミー」という幻想と変貌する金融機関
1 2000年3月10日:ITバブルとあっけない崩壊のインパクト
2 バブルへのシグナル「根拠なき熱狂」
3 エンロンに続く企業破綻の嵐
4 “グローバル・スタンダード”に準じた日本経済への影響
5 サーベンス・オクスレー法とライブドア・ショック
6 商業銀行と投資銀行の接近
第10章 リーマン危機に連なる“ゲーム”
アメリカ型金融モデルの崩壊
1 2007年8月9日:100年に一度の危機はどのように始まったのか
2 証券化商品の弱点
3 ベア・スターンズからリーマン・ブラザーズへ
4 ウォール街の雄たる投資銀行の凋落
5 レバレッジの甘い罠
6 金融行政は金融機関の本質を見抜けなかった
解説コラム──中央銀行と不動産
第11章 ギリシャ財政不安でユーロ絶体絶命
ユーロ圏の南北問題と問われつづける共同体理念
1 2010年1月12日:ギリシャの統計不備を公言した欧州委員会
2 ギリシャ投資はなぜ安易に進んだのか
3 スペイン、イタリアへの波及
4 ユーロ崩壊危機を食い止めたドラギ発言
5 バズーカ砲も辞さないECBの決断
6 多難な財政統合への道程
解説コラム──量的緩和策あれこれ
第12章 終わらないフラジャイル・ワールド
次なる震源地はどこだ?
1 2013年5月22日:バーナンキ・ショックが新興国を直撃
2 新興国問題を再考する
3 市場が敏感に反応する地政学リスクの台頭
4 中国リスクで本当にこわいのは何か?
5 中国に限らないシャドー・バンキングの影
6 中央銀行リスクが増大している
おわりに
著者
倉都康行(くらつ・やすゆき)
1979年東京大学経済学部卒。旧東京銀行で主にロンドン、香港、東京にて為替、証券、新商品開発、リスク管理業務などに従事。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージング・ディレクターを経て2001年4月にRPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社を設立、代表取締役。日本金融学会会員。産業ファンド投資法人執行役員、セントラル短資FX監査役、マネタリー・アフェアーズ誌編集人などを兼務。2005年まで中央大学経済学研究科大学院客員教授。『「金融工学」講座』(PHP研究所、2000年)、『金融史がわかれば世界がわかる』(ちくま新書、2005年)、『投資銀行バブルの終焉』(日経BP社、2008年)、『金融史の真実』(ちくま新書、2014年)など著書多数。「デイリー・マネタリー・アフェアーズ」「世界潮流アップデート」など金融市場分析の配信も行っている。
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