目次

はじめに　道徳感情論があなたを救う！

第１章　人間にとって一番大事なものは何か？ ──同感という発見

同感が心を拷問する？
自分と他者との境界線
同音ではなく協和音をめざす
わかり合うための努力とは？
心の中に「公平な観察者」を育てよう

第２章　正しい世の中とは何か？ ──正義論

社会のルールにつながる慈恵と正義
スミスの正義論
正義と義務の関係とは？
日本人がもつ慈恵の精神

第３章　ルールをつくればそれでいいのか？ ──完全な社会秩序

ルールとは何か？
「見えざる手」に込められた真意
よく思われたい、という気持ち

第４章　なぜ私たちは頑張るのか？ ──人間を動機づける称賛と非難

人の評価を先取りするリスク
認められたい、という欲求の先にあるもの
世論よりみずからの良心を優先しよう

第５章　金儲けは悪か？ ──金儲けと両立する徳

お金は心の平静を約束してくれるか？
徳とは何か？
「財産への道」と「徳への道」
虚栄心をエネルギーに変える

第６章　グローバリズムにどう立ち向かうべきか？ ──徳の普遍性

祖国愛とグローバルな徳は並び立つか？
スミスのコスモポリタニズム

おわりに　見えざる手がつなぐ公共哲学

著者

小川仁志（おがわ・ひとし）
哲学者。徳山工業高等専門学校准教授。1970年京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士（人間文化）。米プリンストン大学客員研究員（2011年度）。商社マン、フリーター、公務員を経た異色の哲学者として、商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど市民のための哲学を実践している。『人生が変わる哲学の教室』（中経出版）、『7日間で突然頭がよくなる本』（PHP研究所）、『ピカソ思考』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）など著書多数。