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領域を超える経営学

グローバル経営の本質を「知の系譜」で読み解く

  • 紙版
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領域を超える経営学

グローバル経営の本質を「知の系譜」で読み解く

書籍情報

  • 紙版
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  • 琴坂 将広:著
  • 定価:2640円(本体2400円+税10%)
  • 発行年月:2014年02月
  • 判型/造本:A5変並製
  • 頁数:432
  • ISBN:978-4-478-02720-2

内容紹介

マッキンゼー×オックスフォード大学Ph.D.×経営者、3つの異なる視点で解き明かす最先端の経営学。紀元前3500年まで遡る知の源流から最新理論まで、この1冊でグローバル経営のすべてがわかる。国家の領域、学問領域を超える経営学が示す、世界の未来とは。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第 Ⅰ 部 経営学は何を目指すのか

第1章 経営学の二面性

わかりやすいようで複雑な経営学
経営学は2つの顔を持っている
「役に立たない」と評価する実務家
「二流の学問である」と突き放す研究者
経営学は二流の学問ではない
ポーターの論文数はたったの7本
二面性の解消は永遠の課題

第2章 経営学は領域を超える

経営学者に経営の答えはわからない
実学としての経営学は、「原理原則」「経験則」「代替案」を提供する
社会科学としての経営学は「知の探究」を行う
多様な学問領域が集う探究の「場」
経営学は領域を超える
知の系譜としての国際経営論

第 Ⅱ 部 「経営」はどのように国境を越えたのか

第3章 多国籍企業とは何か

「多国籍企業」とは何か
中心機能を柔軟に移転させる企業の登場
1つの企業からは全体像が見えない時代

第4章 多国籍企業はいつ生まれたのか

多国籍企業の起源に迫る
紀元前3400年の多国籍企業
歴史から、現在の研究課題を考察する

第5章 権力と技術で発展する多国籍企業

古代法典にみる国家権力の作用
「権力」と、その企業への影響
国際経営進化の源泉をバスコ・ダ・ガマに見る
ロバと石版から、ジェット機とタブレットへ
世界中の価値がつながる時代の経営

第 Ⅲ 部 社会科学としての国際経営論

第6章 セミ・グローバリゼーション時代の到来

第2のグローバル化が進む現代
フラットな世界の実現はまだまだ遠い
経済指標が語るフラット化していない世界の現実
世界が1つになったら何が起きるのか?
セミ・グローバリゼーションの時代

第7章 多国籍企業と国際経済学

アダム・スミスからたどる輸出の意義
スミスの「絶対優位」からリカードの「比較優位」へ
ヘクシャー=オリーンの定理から新貿易理論の登場まで
経営学と国際経済学が融合していく
経営学は他の領域を最もどん欲に吸収している学問である

第8章 企業はなぜ、海外に進出するのか

海外進出の4つの誘因
多国籍企業論の起源はスティーブン・ハイマーの「独占の優位」
「取引コスト理論」の国際経営への応用
立地、所有、内部化の3要素を内包した「折衷理論」
「資源ベース理論」を取り込む多国籍企業論
「制度」の議論を融合させる
多様な議論こそが社会科学の本質である

第 Ⅳ 部 実学としての国際経営論

第9章 「国際」とは何を意味するのか

国際経営研究は時代とともに進化する
経営戦略と「国際」経営戦略の違いとは?
「異質性による負債」を読み解く4つの要因
つながりがない環境で国際化に挑戦する

第10章 黎明期を迎えた国際経営戦略論

I‐Rフレームワークが示す2つの「圧力」
階層に切り分けて「国際」を分析する
機能ごと、事業ごとに、グローバル化の程度は異なる
全社戦略決定のプロセスを4つの分類から導く
4つの産業群それぞれの最適解の原型とは
国際経営戦略の世界はどこに向かうのか

第11章 2000年代以降の国際経営戦略論

世界上位100の経済体の半数は国ではなく企業
IBMのCEOが提唱した「グローバル統合企業」の概念
ゲマワットの功績は分析の体系化にある

第12章 価値連鎖の戦略とは

「価値連鎖の戦略」で組織の枠を超えた戦略を構築
iPhoneから読み解く「勝ち組」企業の正体
大切なのは自社の影響力を保ち続けること
1つひとつの価値連鎖を理解し、影響力を担保する
多様な価値連鎖のポートフォリオを最適化する

第13章 生まれながらのグローバル企業が誕生

「ボーングローバル企業」という新潮流
世界を使って起業する時代
国際経営論に突きつけられた疑問

第 Ⅴ 部 新興国市場で変わる経営の「常識」

第14章 新興国市場を読み解く3つの要素

新興国市場を理解するための3つの要素
社会資本への理解は不可欠である
制度的な資本を「仲介」する6つの存在
新興国の制度設計における様々な課題
現地特有の「非市場要因」は無視できない
3つの要素は相互作用でも変化する

第15章 「非常識」な新興国に挑戦する可能性とリスク

新しい発想で前提を打ち崩して成功する企業
新興国ではゼロベースから捉え直す
ナイキとアップルが直面した新興国進出の大きなリスク
グーグル、ファイザー、シーメンスに下された厳しい評価
「非常識」な市場で成功を収める前提とは

第16章 後追いでも同質でもない、新たな多国籍企業の登場

10年で急速な成長を遂げる新興国
1960年代から始まった議論の変遷
新興国からの挑戦は先進国の後追いを越える
新興国が世界で戦うための3つの道
「二重のとんぼ返り」戦略
新興国の批判は日本の歴史の自己否定

第17章 本物の「グローバル人財」を考える

寿司職人スクールが最大のグローバル人材輩出企業
経営者は人材採用の理想と現実に頭を抱えている
グローバルリーダーに求められる条件
グローバルリーダーの資質とは
中途半端なグローバル人材より、将来のグローバルリーダー
日本人が脈々と受け継ぐ挑戦の系譜

第 Ⅵ 部 100年後の世界市場を予測する

第18章 2000年の歴史で見通す100年後の世界

2050年の先進国は現在の先進国ではない
年収300万円の価値をグローバルに考える
1800年の流れを変えた、過去200年の3つの革命
100年後のために200年前を振り返る価値

第19章 資本主義の多様性を受け入れる

90年代前半から始まった多様性の議論
制度の隙間がハンディではなく、強みになることもある
制度の変化は急速には起こりにくいという現実
世界は最高で唯一の社会制度に統合されるのか

第20章 「企業の倫理」が未来を変える

不平等な世界への多国籍企業の責任とは
競争し、成長することで生まれる負の側面
善悪では片付かない、企業倫理の枠を超える判断
「共益価値の創造(CSV)」という概念の登場

第21章 「都市の成長」が描く新しい世界

未来の世界は国ではなく都市単位で創られる
国家単位の産業振興政策の終わり
地域を基準に職場を選ぶ可能性
「多様性の組み換え」で本格的な都市の時代へ

第22章 「ブラック・スワン」に備えるシナリオ分析

予測できる未来とできない未来を切り分ける
予測が的中するかどうかは重要ではない
あり得ない「ワイルド・カード」を可視化する

終章 経営学の未来とは

「誰が言ったのか」ではなく「何を言ったのか」
経営学に用意された4つの未来

おわりに

参考文献・ウェブサイト一覧

人名索引

事項索引





著者

琴坂将広(ことさか・まさひろ)
立命館大学経営学部国際経営学科准教授。
慶應義塾大学環境情報学部卒業。在学時には、小売・ITの領域において3社を起業、4年間にわたり経営に携わる。大学卒業後、2004年から、マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京およびフランクフルト支社に在籍。北欧、西欧、中東、アジアの9ヵ国において新規事業、経営戦略策定のプロジェクトに関わる。ハイテク、消費財、食品、エネルギー、物流、官公庁など多様な事業領域における国際経営の知見を広め、世界60ヵ国・200都市以上を訪れた。
2008年に同社退職後、オックスフォード大学大学院経営学研究科に進学し、2009年に優等修士号(経営研究)を取得。大学の助手を務めながら、国際経営論の研究を進める。在籍中は、非常勤のコンサルティングに関わり、ヨットセーリングの大学代表に選出されるなど、研究・教育以外にも精力的に活動した。2013年に博士号(経営学)を取得し、同年に現職。専門は国際化戦略。
共編著に『マッキンゼーITの本質』(ダイヤモンド社)、分担著に『East Asian Capitalism』(オックスフォード大学出版局)などがある。

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