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世界を巻き込む。

誰も思いつかなかった「しくみ」で問題を解決するコペルニクの挑戦

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世界を巻き込む。

誰も思いつかなかった「しくみ」で問題を解決するコペルニクの挑戦

書籍情報

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  • 中村 俊裕:著
  • 定価:1650円(本体1500円+税10%)
  • 発行年月:2014年02月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:264
  • ISBN:978-4-478-02609-0

内容紹介

今、全世界から注目を集めているNPOがある。その名は「コペルニク」。 アジア、アフリカの援助すら届かない最貧層(=ラストマイル)へ、現地のニーズに即したシンプルなテクノロジーを届ているグローバルNPOだ。創設者である中村俊裕氏が、国連を辞めてまで起業した経緯から世界的なしくみづくりまでを初めて語る。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに 必要な場所に、必要なものを。

     ──シンプルなテクノロジーで、世界を変える

 24億人以上が抱える課題を解決するためのアイデアとは?
 世界一貧しい国・シエラレオネで生まれた問題意識
 次々と台頭するベンチャー企業──「民主化」する援助の世界
 カギは、シンプルなテクノロジーと、それを「届ける」ための仕組み
 なぜ憧れの国連から飛び出してまで起業したのか?
 僕がコペルニクでつくりたい世界

第1章 僕が世界の最果てを「現場」とした理由

    24億人以上が抱える問題から目をそむけない

1 「ラストマイル」で生活をするということ
  最果ての村にもたらされた、ひと筋の光
  電化率10%以下の暮らしに潜む4つのリスク
  BOPペナルティーと「ラストマイル」
  調理は「火を起こす」ところから
  水汲みは、経済的な損失に直結している

2 シンプルなテクノロジーが、世界を変える
  ソーラーライトという解決策
  現地団体とのパートナーシップが教えてくれた「本当のニーズ」
  援助でもビジネスでも届かない人たちに届けるために
  現地を巻き込んで、明かりをともす
  シンプルなテクノロジーが持つインパクト
  ラストマイルというフォーカス、ボトムからの視点

第2章 国連でできたこと、国連ではできなかったこと

    なぜ、ボトムアップが課題解決への近道なのか?

1 スケールの大きな仕事がしたい──憧れの国連
  「世界で最も貧しい国」シエラレオネで気づいた「限界」
  緒方貞子さんに明石康さん、グローバルに活躍する日本人への憧れ
  高かった英語の壁と、日本の大学への入学
  イギリスで初の海外生活
  国連機関に「手紙」で必死にアプローチ
  ジュネーブで国連を経験
  現実の国連に抱いた違和感──マッキンゼーで、一度ビジネスの世界へ
  再び国連へ──今度こそ、想いを果たすために
  運命の地、シエラレオネへ
  決定的な疑問「自分はインパクトを出せているのか?」

2 ボトムから変えていく、ということ
  トップダウンではすべての人に届かない
  葛藤の末、たどり着いた答え

3 シエラレオネで出会った「ラジオ」のパワー
  「開かれた政府」プロジェクトで得た気づき──世界を変えるには、ローテクでかまわない
  「クーラーボックス」はいりませんか?
  シンプルなテクノロジーは「劣っている」のか?
  「ここに、あの製品があれば……」──ひらめきの瞬間

第3章 いま求められているのは、クリエイティブな「ローテク」

    途上国のニーズをつかむための6つの課題と3つのアプローチ

1 ブルー・オーシャンはどこにあるのか──ニーズを正しく把握しているか?
  インドネシアで出会った、ニーズとマッチしない製品
  なぜつかみ取れないのか?──生活シーンを知らなさすぎる
  途上国で見られる6つの課題
  ギャップを埋めるための唯一の手段こそ、「現場に行く」こと
  このギャップはチャンスでもあるということ──世界にいまだ存在するブルー・オーシャンを求めて

2 シンプルなテクノロジーが革新的な理由──ロースペックだからこそできることとは
  Qドラムにライフストロー──次々と出会った逆転のテクノロジー
  途上国で受け入れられるための3つのポイント
  ローテクは、役に立たないのか?──「テクノロジーのスペック」×「創造性」で見えてくる新しい可能性

3 テクノロジーは、何のためにあるのか?──インパクトという視点
  子どもが水汲みから解放される、とは何を意味するのか?
  本当の問題は、シンプルなテクノロジーが必要な場所に届いていないこと

第4章 憧れの国連を辞めるとき

    技術と現場とお金をつなぐ、三方よしのビジネスモデルで起業するまで

1 コペルニク創業──すべてをつなぐ「しくみ」はどのように生まれたのか?
  ニューヨークでの国連改革の仕事
  ソーシャル・ベンチャーのうねり
  頓挫したリアリティTV番組のアイデア
  逆転のビジネスモデルを思いついた夜
  夏休みを返上してビジネスプランを
  「コペルニク・サロン」での気づき
  立ち上げ準備① テクノロジー製造者とスカイプで交渉する
  立ち上げ準備② 手こずったウェブサイト
  法人登記はニューヨークで──グローバルな舞台で起業する
  非営利とビジネスの補完関係
  ビジネスは非営利よりもスキルが上か?
  お世話になった国連を去ることを決めた日
  いよいよ次のステージへ──コペルニクをソフトローンチ

2 コペルニクのしくみ──顧客、企業や大学、寄付者がみんなハッピーに
  ボトムアップでニーズとテクノロジーをマッチング
  コペルニク・フェローを通じてインパクトを測定
  フィードバック・ループでイノベーションを加速させる

3 寄付とファンディングについて
  寄付者の多様な国籍、年収
  「本当に役に立つところに寄付したい」──インパクトを求めてコペルニクに寄付
  経営危機を乗り越えて、ラストマイルに「安全な明かり」を届けた日

第5章 危機を救ってくれたヒントはすべて「現場」にあった

    企業とNPOのコラボレーションが、新たなイノベーションを起こす

1 進化するコペルニク──なぜ僕はNPOの経営に力を入れるのか?
  NPOを経営するということ
  広がる現地パートナーの幅① 地域に根差したNGO
  広がる現地パートナーの幅② 協同組合
  無料では配らない──徐々に依存度を下げるというやり方で市場をつくる
  広がるテクノロジーの幅
  農村の売店をテクノロジー・キオスクに
  寄付を循環させて、さらに大きなインパクトを──「半投資モデル」の成功
  ボランティア体制からフルタイムスタッフ体制に──経営基盤を強化
  採用での試行錯誤──ビデオで自己アピール
  組織のカルチャーをつくる──イノベーションを起こす組織とは?
  「ストラテジー・マップ」を使って計画性と柔軟性を両立する
  国際会議に参加して知名度アップを

2 イノベーションの担い手は、企業だけなのか?
  ハイブリッド・バリュー・チェーン──企業とNPOの連携に秘められた可能性
  事例① インドネシアでソーシャル・ベンチャーを育てるNPO
  事例② 寄付を投資に回すアキュメン・ファンド
  事例③ イノベーションを支援する政府
  事例④ MITやスタンフォードなど、NPOと手を結ぶ大学
  シリコンバレー化する世界──進化する政府・市場・NPOの関係とは?

3 異分野の交流から、グローバル人材が生まれる
  異地域×異業種の多様性のなかに飛び込む
  コペルニク・フェローとは
  ケニヤに飛び込んだ日本人タクロー──フェロー経験が促した驚異的な成長
  人生を変えるフェローシップ
  途上国が人を惹きつけるのはなぜか
  グローバル人材の本質とは?

4 「つなぐ」ことこそ僕らの役目──シードコンテストを通じて得た手ごたえ
  コペルニクのジレンマ──日本発のテクノロジーをどうすれば拾い上げられるか?
  日本人が創造性を発揮するために必要なこと
  日本の強みは生きるのか?──イチからつくらなくてもいい、という気づきだけで

第6章 日本の「モノづくり」を、世界は待っている

    ボトムアップのアイデアを課題解決と製品づくりに活かす

1 東北にソーラーライトを!──被災地で求められたコペルニク
  震災当日に考えたこと
  「明かり」へのニーズで気づいたラストマイルと被災地の共通点
  誰もが見逃していた「補聴器」へのニーズ
  被災地支援から学んだこと──国境を越えた問題解決への期待の高まり

2 日本企業とコペルニクのパートナーシップ──現地ニーズに根差した製品・サービスを
  ますます大きくなる日本の「モノづくり」の可能性
  調査もままならない? 現地で直面するさまざまな課題
  現地ニーズの把握は、お金と時間だけでは解決できない
  「農村部の貧困層」という巨大市場の重要性
  日本企業にも評価されはじめたコペルニクの強み──途上国進出を4つのステージで考える
  ベネッセとシンプルな教具をインドネシアの小学校に導入
  途上国市場が日本のモノづくりを変える

3 コペルニクが描く未来──ボトムから世界を変えていく
  ①ビジネスへの移行も支援:エージェントを育成する
  ②フィードバックの蓄積:リアルタイムな情報収集へ
  ③経営基盤の安定:最適な財源ミックスを見出す
  ④新たなテクノロジーの出現を支援
  ⑤援助業界にイノベーションをもたらす
  ボトムからの視点を忘れずに、さらに前へ







著者

中村俊裕(なかむら・としひろ)
米国NPOコペルニク 共同創設者兼CEO。
京都大学法学部卒業。英国ロンドン経済政治学院で比較政治学修士号取得。国連研究機関、マッキンゼー東京支社のマネジメントコンサルタントを経て、国連開発計画(UNDP)で、東ティモールやシエラレオネなどで途上国の開発支援業務に従事。アメリカ、スイスでの国連本部業務も経験し、ソマリア、ネパール、スリランカなど紛争国を主にカバーしていた。
2009年、国連在職中に米国でNPO法人コペルニクを設立。アジアやアフリカをはじめとする途上国の、援助の手すら届きにくい最貧層が暮らす地域(ラストマイル)へ、現地のニーズに即したシンプルなテクノロジーを使った製品・サービスを提供する活動を行い、貧困層の経済的自立を支援している。
2010年、2011年には、クリントン元米大統領が主催するクリントン・グローバル・イニシアティブで登壇。2011年にはテック・クランチが主催する「クランチーズ」で表彰。2012年、世界経済会議(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダーに選出された。また、テレビ東京系の「ガイアの夜明け」やNHKなどメディアへの露出も増加している。現在は大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘准教授も務め、マサチューセッツ工科大学(MIT)、コロンビア大学、シンガポール大学、オックスフォード大学、東大、京大など世界の大学で講演も行っている。

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NHK、「ガイアの夜明け」、「シューイチ」でも話題!
国連、パナソニック、MIT、スタンフォード大発ベンチャー、ダボス会議など、
全世界大絶賛のグローバルリーダー、初の著書!!

「明かり」がないと、貧困から抜け出せない?
——シンプルなテクノロジーが持つ驚くべき可能性

「明かり」がない。
たったこれだけのことが、暮らしにどんな影響を及ぼすか想像できるだろうか?
電気が通っていない、主に途上国の村の人たちは、
灯油を染み込ませた紐に火をともして明かりをとっている。

lamp_0101.jpg

この明かりには、たくさんの問題がある。

・高い(輸送費のせいで日本より高物価)
・危ない(火事の危険)
・健康に悪い(有害な黒い煙)
・環境に悪い(化石燃料と二酸化炭素排出)
・機会の喪失(夜に内職や宿題ができない)

結果、働ける時間は減り、教育という将来への投資もできず、
いつまでも貧困のループから抜け出せなくなってしまう。

でも、もしも彼らの村に、
太陽の光でLEDの明かりがともるライトがあったとしたら?

solarlight_0102.jpg

そんなシンプルな製品があるだけで、
灯油に使っていたお金は、貯蓄や教育に回すことができる。
子どもたちは、火傷の心配なしに勉強することができるのだ。

solarlight_0102-2.png

こうしたシンプルだけど暮らしを劇的に改善するインパクトを持つ、
クリエイティブな「ローテク」に、いま注目が集まっている。

企業、大学、NPO、現地に暮らす人たち、そして先進国に暮らす僕ら……
——すべてをつないだ、全世界絶賛の「ビジネスモデル」とは

そんなシンプルなテクノロジーを、
本当に必要とする人たち——全世界に24.7億人いる1日2ドル以下で暮らす貧困層——に届ける「しくみ」をつくったのが、
NPOコペルニクを立ち上げた中村俊裕氏。
国連勤務時代、シエラレオネで感じた
「本当に必要なものが、必要な場所に届いていない」というジレンマ。
それを解くカギをシンプルなテクノロジーに見出した中村氏は、2009年にニューヨークで起業。

・シンプルなテクノロジーをつくりはしたけど「届け方」がわからない企業や大学
・貧困問題に心を痛めながらも「自分にはできることはない」と諦めかけていた世界中の人たち
・国連をはじめ援助の手すら届きにくかった現地の人たち

という3者をオンラインでつなぐことで、
「本当に必要なものを、必要な場所に届ける」ことを可能にしたのだ。
このクラウドファンディングやリバース・イノベーションなども取り入れた精緻な「しくみ」は
国内外から高い評価を受けていて、賛辞の声は年々大きくなっている。
一例を挙げよう。

・ダボス会議のヤング・グローバル・リーダーに選出
・クリントン・グローバル・イニシアティブで表彰
・大前研一氏や米倉誠一郎氏が絶賛

加速する企業とのコラボレーション。
——日本の「モノづくり」を進化させる

企業が途上国進出で苦戦するいま、現地団体とコネクションを持ち、
実際の「ニーズ」を把握して「生」の情報を持つコペルニクは、
パナソニックやベネッセなど、日本企業を含む多くの企業とも連携、次々とプロジェクトを立ち上げている。

この本は、なぜ中村氏が国連を辞めてコペルニクを起業し、
いかにして貧困を解決できる「しくみ」をつくったかを記した物語でもあると同時に、
シンプルなテクノロジーが持つ力を通して、
日本の「モノづくり」を世界で活かすための可能性を探るものでもあるのだ。

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