ハイブリッド・バブル
日本経済を追い込む国債暴落シナリオ
ハイブリッド・バブル
日本経済を追い込む国債暴落シナリオ
書籍情報
- 小幡績 著
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2013年05月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:252
- ISBN:978-4-478-02435-5
内容紹介
向かうは、日本“安楽死”の道か?
暴落リスクと隣合わせでも高価格・低金利を維持する現状を、名付けて「ハイブリッド・バブル」。黒田日銀総裁のもと、さらに市場の買い上げが進むなか、「不安定な安定性」の均衡は崩れるのか? 日本の国債危機と、リーマンショック、欧州危機の違いを解き明かす。
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目次
はじめに
第1章 いったい何が起きているのか
バブル最終局面の入り口
暴落しない不思議なバブル
ハイブリッド・バブルの変調
第2章 日本国債の投資家たち
国内保有率の高さが持つ本当の意味
さまざまな国内投資家
銀行:大手の市場への影響力は縮小
保険会社:生保が金利リスク最大の引き受け手
年金:国内投資家としては一部でかなりのリスク運用を実施
ゆうちょ銀行・かんぽ生命:今も圧倒的保有高だが運用姿勢に変化
農林系金融機関:世界に知られる和製ヘッジファンド
海外投資家:保有比率は低いが短期の値動きへの影響力大
日本銀行:買い入れを加速させ全体の11%を占める保有者
第3章 国債ハイブリッド・バブル
国債はバブルか?
3つのカテゴリーの投資家
限定合理的投資家の限定合理性とは?
暴落スパイラルが起きない理由
限定合理的投資家というもうひとつの安定化装置
ハイブリッド・バブルとは何か
第4章 サブプライム・バブル、欧州国債バブルとの比較
サブプライム・バブル(リスクテイクバブル)
リスクテイクバブルとハイブリッド・バブルの違い
バブルの基本要素すべてを備えていた欧州国債バブル
「テールリスクの無視」という共通性
日本の国債市場の異次元の安定性
第5章 「ハイブリッド・バブル」暴落?
投資家の変化、国債市場の構造変化
生保は変わるか?
生保がムーバーに変貌したとき
円安による暴落の可能性
第6章 金融市場、金融機関、そして日本経済の「安楽死」
ファンダメンタリストの今後
金利低下とデュレーションの長期化
投げ売りよりも安楽死
金融「市場」も安楽死
救済シナリオは?
結局、日銀?
日本経済も安楽死へ
欧州国債危機との類似性
第7章 日本経済の未来 望ましい国債政策
問題は国債総額
日銀は国債を買うな
国債投資消滅?
第8章 真の「ハイブリッド」バブルの始まり
活発な売買はバブル末期のサイン
バブルの上にバブル
ムーバーに変貌する投資家たち
必ず来る日銀の政策転換
黒田バブル&バースト
黒田総裁の誤解
国債市場は修羅場か天国か
普通でない「ふつうの」バブル
補論 ハイブリッド・バブルの理論的モデル
おわりに
著者
小幡績(おばた・せき)
1967年生まれ。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)准教授。92年東京大学経済学部卒業、大蔵省(現財務省)入省、99年退職。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より現職。『すべての経済はバブルに通じる』(光文社、08年)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、13年)など著書多数。
※本書中、図表2—1〜10、5—1〜2、6—1、8—1、8—3の出所は、日本銀行「金融システムレポート」2012年10月。上記以外は筆者作成。
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