脳が認める勉強法
脳が認める勉強法
書籍情報
- ベネディクト・キャリー 著/花塚 恵 訳
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2015年12月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:384
- ISBN:978-4-478-02183-5
内容紹介
最新の科学研究によれば、これまで定説とされてきた勉強法は多くの場合に間違っているという。では、どうすれば脳は最も効率よく学べるのか。米三大紙『ニューヨーク・タイムズ』の人気サイエンスレポーターが、著名科学者らへの取材をもとに、脳をフルパワーで働かせる記憶法・勉強法を徹底解明。全米で話題の一冊!
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目次
はじめに ── 余白を広げる
Part 1 脳はいかに学ぶか
第1章 学習マシンとしての脳
記憶という生命現象を解き明かす
脳はあなた自身のストーリーを語る
記憶を形成する「ニューロン」のネットワーク
なぜ、過去の体験は細部まで思いだせるのか
「海馬」を切除されたてんかん患者の悲しみ
脳には記憶を扱うシステムが2種類ある
記憶はどこに保存されているのか
左脳と右脳を分離するとどうなるのか
左脳は顕在意識に嘘をつく
たどった記憶は絶えず変化し続ける
第2章 なぜ脳は忘れるのか
記憶のシステムを機能させる忘却の力
忘却に備わっているスパムフィルター機能
覚えるために忘れる理論
エビングハウスが生みだした「忘却曲線」
「学習の科学」の扉を開いた実験手段
一度忘れた記憶は時間がたつと回復する!?
ようやく認められたバラードの「レミニセンス」
記憶には「保存」と「検索」の二つの力がある
古くなった記憶を保存しておくメリット
認知科学が明らかにした「記憶の基本原理」
Part 2 記憶力を高める
第3章 環境に変化をつける
いつもの場所、静かな環境で勉強するのは非効率
「勉強の儀式」を守ろうとする人々
勉強時の環境を復元するとより多く思いだせる
音楽を聴きながら勉強するほうが効率的?
勉強の体験は「記憶の保持」に影響を与える
「気分」は学習にどう影響するのか
マリファナを使ったアメリカ政府の実験
「強い手がかり」ほど思いだす効力が大きい
複数の知覚を関連づけるのがカギ
勉強の場所を変えたほうが思いだしやすくなる
手順や環境に変化をつければ「学ぶ力」は強化できる
第4章 勉強時間を分散する
一度に勉強するより分けたほうが効果的
「分散学習」は一夜漬けに勝る
なぜ分散効果は世の中に伝わらなかったのか
バーリック家4人の研究
世界一の外国語習得法とは?
分散学習のソフトウェア「スーパーメモ」の誕生
難しい題材を覚えるときの勉強法
試験までの期間に応じて学習間隔を変える
試験が1週間後なら1〜2日あけて勉強する
第5章 無知を味方にする
最善のテスト対策は、自分で自分をテストすること
テストには悲惨な結果がつきもの
テストを失敗させる「流暢性の幻想」
テスト対策のスキルを高める「自己テスト」
「覚える時間」と「練習する時間」の理想的な比率とは?
ゲイツの研究を進展させたスピッツァー
テストをする最高のタイミングはいつか?
どちらの文章を多く思いだせるか?
実験で明らかになった「自己テスト」の効果
知らないことをテストする「事前テスト」
なぜ「事前テスト」が学習効率を高めるのか
テストはきわめて強力な学習テクニック
Part 3 解決力を高める
第6章 ひらめきを生む
アイデアの「孵化」が問題解決のカギ
パズルを使った「洞察問題」
頭に浮かんだアイデアを捨て、視野を広げる
洞察力はどのように生じるのか
問題解決の四つのプロセス
脳は休息中も問題と向きあい続ける
「孵化」段階でも脳はヒントを探している
「孵化」の助けとなる脳の2つの働き
「孵化」からひらめきを得るには?
忘却は問題解決にも役立つ
一歩引いて周囲を見回す
休憩は問題を解くための貴重な武器になる
第7章 創造性を飛躍させる
無から有をつくりあげる「抽出」のプロセス
「孵化」の適用範囲を広げる
「抽出」が創造性を飛躍させる
留学生ツァイガルニクが選んだ研究テーマ
人は、何かを割り当てられると完了させたくなる
「ツァイガルニク効果」と目標の関係
喉が渇いていると何が目に入るのか
「ツァイガルニク効果」を目標達成に活用する
「抽出」の過程を可視化したダイヴリーのカリキュラム
立ち止まることから「抽出」が始まる
第8章 反復学習の落とし穴
別のことを差し挟む「インターリーブ」の威力
反復練習に対する根強い信頼
反復練習の効果を否定した「お手玉の実験」
変化を取りいれた練習が本番の応用力を高める
反復練習を重ねると向上のスピードは遅くなる
邪魔を入れる学習は美的判断にも影響を及ぼす
学習の基本原則となった「インターリーブ」
「インターリーブ」が数学の理解を深める
数学の問題を解いてみよう!
「インターリーブ」でアクシデントに強くなる
Part 4 無意識を活用する
第9章 考えないで学ぶ
五感の判別能力を学習に活用する
目利きは何を読みとっているのか
膨大な視覚情報から「チャンク」を読みとる能力
知覚した情報はどう区別されるのか
五感は自ら学習する
知覚学習の可能性を広げたPLM
学校で実証されたPLMの効果
自分ひとりでも知覚は鍛えられる
何も考えていなくても知覚は学んでいる
第10章 眠りながら学ぶ
記憶を整理・定着させる睡眠の力を利用する
謎に包まれた睡眠の世界
睡眠の無秩序を説明しようとする試み
「レム睡眠」の発見
レム睡眠とノンレム睡眠の5段階
睡眠をとると正答率が上がる
睡眠は学習テクニックの効果を増幅させる
睡眠の各段階で何が起きているか
睡眠とは学習である
おわりに ── 脳は狩猟採集を忘れていない
付録 ── 学習効果を高める11のQ&A
原注
索引
著者
ベネディクト・キャリー(Benedict Carey)
『ニューヨーク・タイムズ』紙サイエンスレポーター。
コロラド大学卒業後、ノースウェスタン大学大学院でジャーナリズムの修士号を取得。フリージャーナリストを経て、『ロサンゼルス・タイムズ』紙の記者として脳科学、医療、健康の記事を執筆。2002年にはミズーリ大学ライフスタイル・ジャーナリズム賞を受賞した。2004年より『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者となり、神経科学、精神医学、神経学、日常の心理学を主なテーマとして活動している。読者からのメールがもっとも多い人気記者のひとりで、25年にわたって科学と健康の記事を書き続けている。
訳者
花塚恵(はなつか・めぐみ)
翻訳家。福井県福井市生まれ。英国サリー大学卒業。英語講師、企業内翻訳者を経て現職。主な訳書に『決める』(ダイヤモンド社)、『世界トップ3の経営思想家によるはじめる戦略』(大和書房)、『米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方』(東洋経済新報社)、『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
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