結果を出すリーダーはみな非情である
30代から鍛える意思決定力
結果を出すリーダーはみな非情である
30代から鍛える意思決定力
書籍情報
- 冨山和彦 著
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2012年10月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:264
- ISBN:978-4-478-02147-7
内容紹介
明治維新も第二次大戦後の復興も、革命の担い手はいつの時代も、企業でいえば課長クラス、ミドルリーダーだ。日本も今の混迷期を脱するには、ミドルリーダーの踏ん張りが欠かせない。社長も含めて上司はコマとして使い、最大の成果を上げる−−。自分がトップのつもりで考え行動するリーダーシップの鍛え方とは?
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目次
はじめに
第1章 なぜ若いうちからリーダーシップが必要なのか
時代を動かすのは課長クラスの「ミドルリーダー」である
上下から1次情報が集まる強みは大きい
名君は下っ端をうまく使う
トップリーダーと現場リーダーの違い
現場が権力を握ると会社はつぶれる
ただのミドルマネジメントとミドルリーダーを分けるもの
逃げ場の多い中間管理職の覚悟
ストレスの中で学ぶリーダーシップのリアリズム
上司も社長もチームメンバーとして“使う”
中間管理職教育のワナ──リーダー型「経営職」育成プログラムのススメ
第2章 現実を直視する 日本と日本企業と「ニッポンの課長」の命運
企業は寿命を迎える
悲惨な老後を迎えないために
優秀なやつほどリスクを取る──ニッポンの「課長」に明日はない!?
格差が広がる本当の理由──国もカイシャも耐用期限切れ?
国も企業も最大の害悪は格差の固定化
カネは人を幸せにするか──これからのミドルリーダーは「カネと人間」の問題から逃げるな
第3章 リーダーシップの条件1 論理的な思考力、合理的な判断力が不可欠である
情緒的直感は人を殺す
合理的思考とはリアリズムの思考
ミドルリーダーが「合理」と「情理」の矛盾、相克に立ち向かう方法論
サンクコストに重きを置きすぎない──英霊20万人のために犠牲になった300万人
〝サンクタイム〟はもっと危険──日本企業がテレビから撤退できない理由
社長のような課長になれ──トンボとアリの視点を持つ
リーダーシップには度胸が不可欠──度胸の必要条件とは?
私が大企業に就職しなかった理由
コラム:日々のニュースで合理的思考を訓練する法
第4章 リーダーシップの条件2 コミュニケーションは情に訴え根負けを誘う
しつこく根負けを誘うのが王道
訓練としての論争・論駁の重要性
実践としての論争・論駁のリスク──改革派が分裂し、守旧派は団結する理由
デジタル・ネイティブ世代の行動様式を理解する
英語の呪縛から解き放たれる
第5章 リーダーシップの条件3 実戦で役立つ戦略・組織論を押さえる
マネジメントリーダーの必須科目──その第1は事業の経済構造を理解すること
経済構造の変化を見定める──日本の半導体産業が敗れた理由
「引き算」の戦略思考──「あれもこれも」から「あれかこれか」へ
組織論とは人間学
常に「与党」の立場で考え、行動せよ
真のグローバル&アウェイ型を目指せ
これからの「カイシャのかたち」を考える
ブレーキが必要な組織とアクセルがない組織──欧米と日本のガバナンスの違い
実質的な意思決定に必要なのは3人だけ──少数のトップリーダーとミドルリーダーで会社を回せ
戦略は組織に従う──トップリーダーとミドルリーダーは共闘せよ
トップレベルの権力構造を知っておこう──株主主権? 取締役会主権? ステークホルダー主権?
第6章 リーダーシップの条件4 評価し、評価されることの本質を知る
「成果」と「能力向上」は切り分けて捉える
コミットして取り組んだか? 負けっぶりはよかったか?
下から見たほうが人間の本質はよく見える
薄情けは人のためならず
善人は人を不幸にする
ケミストリーから入るのが一番危険──その背景にある人間の性格、価値観を洞察せよ
あとがき
著者
冨山和彦(とやま・かずひこ)
経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO。
ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役社長を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。解散後、IGPIを設立、数多くの起業の経営改革や成長支援に携わり、現在に至る。オムロンやぴあの社外取締役、朝日新聞社社外監査役、中日本高速道路社外監査役のほか、多くの政府関連委員を務める。1960年生まれ、東京大学法学部卒、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。