中国人のやる気はこうして引き出せ
ゼロから繁盛小売チェーンを築いたマネジメント術
中国人のやる気はこうして引き出せ
ゼロから繁盛小売チェーンを築いたマネジメント術
書籍情報
- 塙昭彦 著
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2012年11月
- 判型/造本:4/6並製
- 頁数:272
- ISBN:978-4-478-02146-0
内容紹介
イトーヨーカ堂の営業本部2万5000人をまとめる本部長から、部下のない中国室長に転じ、一から中国展開の礎を築いた塙昭彦氏(現セブン&アイHLDGS顧問)。いまや13店舗800億円のチェーンストアに育ち、中国人に任せる現地化も進んでいる。その部下育成や企業文化の底流に流れる塙氏の考え方を凝縮した1冊!
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目次
はじめに イトーヨーカ堂は、なぜ中国で成功することができたのか
Chapter1 中国で覚悟する
並みの努力では勝てない、とリーダーは心得よ
利口はいらない。バカもいらない。必要なのは、大バカ者だけだ
中国に染まれ。ただし、染まりすぎるな!
「とりあえず中国に」などと考えるなら、進出はやめなさい
中国人に言われた「詐欺師ほど、立派なパンフレットを作ってくるものだ」
お客さまは来ない、取引先は売ってくれない、銀行は貸してくれない
支払いが遅れそうになったら、全財産を売ってでも支払いなさい
上から5年、下から1日。中国人ほど人を見る国民はいない
必要なのは、リーダーの指針と胆力。見せかけの威厳などはいらない
商人としては中国人が大先輩。骨を埋めるほどの覚悟でないと
中国人にどんどん任せていったほうが、絶対にうまくいく
オレがやらなきゃ誰がやる、と全員が思えるか
Chapter2 中国を理解し、学ぶ
日本人は中国がまったくわかっていない
日本での成功体験はすべて捨てる。本気で捨てる
日本人は「下向き」、中国人は「直向き」。たったひと文字で、これだけ違う
「日本人は遅すぎる」と中国企業。スピード感の圧倒的な違いに気づけ
中国のことはだいたいわかる、と言う日本人を信用しない
ゴミ回収車が来る前に、袋を全部開けて、中身を調べた
チラシ配布で学んだこと。自分のモノサシで物事を考えない
小売りビジネスで忘れてはならない「金の9月、銀の10月」
絶対にうまくいかない、と中国人が語った「大晦日の深夜営業」
Chapter3 中国人と付き合い、交渉する
日本人は中国人から驚くほど見られている
面接で嘘を言うのも平気。幹部採用は顔を見ろ
“人治国家”中国で陥りがちな罠。人脈に過度に頼ってはいけない
通訳では中国人には通じないと思え。日本語から注意しないといけない
日本人幹部は、驚くほど中国人に見られていることを知らない
ダメなものは、ダメ。自分の基準を動かしてはならない
不正が起きるのは、不正が起きる土壌があるから
騙される人たちは、騙されるべくして、騙されている
中国人を信頼する。でも、信頼しすぎてはいけない
飲みニケーションは通用しない。中国人への偏見をこそ、捨てよ
Chapter4 中国人を育て、教える
日本人が変わらなければ、中国人も変わらない
涸れた井戸から、水は汲めない。まずは、その理解から
礼儀がまったくできていない。愛想も笑顔もまるでなかった
知らず知らずのうちに、日本人は上から目線になっていることに気づけ
説得し、納得すれば、行動が変わる。理解すれば、日本人以上に動く
イトーヨーカ堂からゴミをなくした、総経理の率先垂範
中国人とのコミュニケーションを円滑にする「半分オウム返しの術」
「叱る」と「怒る」を区別せよ。効果を生む「日本人に激怒する」
直接の上司を超えて、現場の部下に指示を出してはいけない
中国人に目標と夢を持たせよ。発展性のない会社では、やる気は出ない
中国人スタッフを動かした言葉「遠くの美人より、隣のおばあさん」
Chapter5 中国人を評価し、マネジメントする
成果主義でなければ、中国人は頑張れない
「社員」も契約制の1年契約。管理職も複数年の有期契約制
基本給と成果給が半々。一般社員でも手取りに差が出る成果報酬システム
品減りが限りなくゼロに近いのは、共同責任体制を敷いているから
一度辞めた人材は再採用しない。戻すなら、2ランク下げて戻す
責任の所在を転嫁する傾向がある。それを認識したうえでマネジメントを
常に真剣勝負でぶつかる。例えば、発表の評価基準5原則
Chapter6 中国で結果を出す
何より、正しいことをせよ
1店舗当たり売上高で全中1位。それは、正しいことを貫いたから
お客さまのために何ができるか、それをひたすら実現していった
売上げはお客さまからの支持、利益はお客さまからのご褒美
真剣な努力が売上げを生み出す。中国で言い続けた「三感の実践」
ほらも、達成すれば、ほらじゃない。大バカ者なら、なんだってできる
何がピンチをチャンスに変えたか。SARS騒動を救ったのは「誠実さ」
井戸を掘るだけが役割ではない。水をわき出させ続けることが大切
利益など求めるな。人を育てれば、それは勝手についてくる
付録1 資料で見る中国イトーヨーカ堂 成長の軌跡
付録2 三枝富博・現イトーヨーカ堂執行役員中国総代表に聞く中国イトーヨーカ堂の「今」
おわりに “人生すべて当たりくじ”と思いなさい
著者
塙 昭彦(はなわ・あきひこ)
セブン&アイHLDGS.顧問。
1967年8月イトーヨーカ堂入社、85年取締役オペレーションサポート部長、その後、常務取締役食品事業部長、衣料事業部長などを歴任。1996年に、営業本部2万5000人の頂点に立つ専務取締役営業本部長から、部下のない中国室長に転じた。中国での店舗展開の礎をゼロから築き、現在では13店舗、売上高800億円の規模に成長している。2007年セブン&アイHLDGS.取締役、セブン&アイ・フードシステムズ代表取締役社長、2011年より現職。一貫して営業畑を歩んできたが、同社労働組合を結成したり、女子バレーボール部のオーナー兼部長兼総監督としてチームを廃部寸前から日本一に導くなど、特異な経歴を持つ。現在、オフィスはなわ代表取締役社長、一般財団法人徳育経営研究所理事長を兼務。