厚労省が国民を危険にさらす
放射能汚染を広げた罪と責任
厚労省が国民を危険にさらす
放射能汚染を広げた罪と責任
書籍情報
- 木村 盛世 著
- 定価:1540円(本体1400円+税10%)
- 発行年月:2012年03月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:208
- ISBN:978-4-478-02083-8
内容紹介
厚生労働省内で戦うキャリア技官の木村盛世氏が、福島原発事故による危機管理、厚生行政の不備を明らかにする。問題は原発事故だけでなく、新型インフルエンザ、口蹄疫、BSEなどの問題と同様で、おそまつな危機管理体制がさらなる危機をつくりだしている。疫学の専門家の視点から、日本の安全を守るための方法を提言。
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目次
はじめに
第1章 放射線の健康被害──わかっていること、いないこと
たかをくくっていた日本政府
「放射線は安全」という説は正しいか
最初のきっかけは、ラドンと発がんの影響
原子力関連労働者の調査で何がわかったか
ヒロシマ・ナガサキの調査では、低線量被ばくの影響はわからない
今、放射線による健康被害でわかっていること
ヨードはどんな放射性物質なのか
セシウムはどんな放射性物質なのか
ストロンチウムはどんな放射性物質なのか
除染は効果があるのか
「わからない」ことが多いのに、なぜ「安全」といえるのか
第2章 誰のために安全基準があるのか
放射線の単位についておさらいしておこう
安全のための「基準値」とは何か
国内基準に影響を与えるICRPの考え方とは?
危機管理では予防原則に基づく安全基準が大事
20mSvという基準値は高いか低いか
食品の安全性を決める食品安全委員会の実態
官僚の思いつき政策が食品の安全を決めている
省庁間のゴタゴタに巻き込まれ被害を受けるのは国民
ストロンチウムの記載がないわけ
第3章 放射線規制値は絶対ではない
ホールボディカウンターは絶対ではない
「確定的」健康被害と「確率的」健康被害
「今すぐ」とは、どの程度の期間を指すのか
一度つくられた規制値はいつの間にか独り歩きする
発がんの可能性は確実に増えた
健康被害を把握するには比較対象が不可欠
「脱落」を見落とすと、調査結果は大きく違ってくる
因果関係を明らかにするのは簡単ではない!
日本が立ち遅れている「公衆衛生学」の実態
第4章 放射線だけではない! 国の危機管理の甘さ
国家にとっての「危機」とは何か
誤った危機管理の方法① 水際作戦
誤った危機管理の方法② 特攻隊
最後はカミカゼを待つだけの無能な政府
公衆衛生の概念なき政策
第5章 「絶対安全」という宗教からの脱却に向けて
「科学的根拠」の欠落した危機管理政策
真の「専門家チーム」を結成せよ
「まともな」追跡研究が絶対に必要
正しい調査をするには国民総背番号制の導入が必要
疫学調査だけでは不十分、モデリングの導入へ
情報の鎖国化からの脱却
絶対安全神話からの脱却
地産地消へのしがらみを捨てよ
防波堤をつくる前にやることがある
放射線健康被害と原子力発電の是非は違う問題
あとがき
参考文献
著者
木村盛世(きむら・もりよ)
医師、厚生労働医系技官。筑波大学医学群卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了(MPH、公衆衛生学修士号)。優れた研究者に贈られる、ジョンズ・ホプキンス大学デルタオメガスカラーシップを受賞する。内科医として勤務後、公衆衛生の道へ。米国CDC(疾病予防管理センター)多施設研究プロジェクトコーディネイターを経て帰国。財団法人結核予防会に勤務。その後、厚生労働省入省。大臣官房統計情報部を経て、現在は厚労省検疫官。専門は感染症疫学。「TVタックル」などに出演し、厚労省内部から杜撰な厚生行政の実態を告発している。著書に『厚生労働省崩壊』『厚労省と新型インフルエンザ』(講談社)、『辞めたいと思っているあなたへ』(PHP研究所)などがある。
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