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世界はひとつの教室

「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション

  • 紙版
  • 電子版

世界はひとつの教室

「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • サルマン・カーン:著 三木 俊哉:訳
  • 定価:1760円(本体1600円+税10%)
  • 発行年月:2013年05月
  • 判型/造本:46上製
  • 頁数:256
  • ISBN:978-4-478-02046-3

内容紹介

「教育」が「テクノロジー」と出会う時、子どもと大人の学びにはどんなイノベーションが起こるのか? 世界中から月200万人の新規登録者があり、グーグルやゲイツ財団らも注目するシリコンバレーの教育NPO「カーンアカデミー」の創業者が学びの未来形を示す。従来の常識を覆す斬新な視点の数々は日本でも話題必至。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに 質の高い教育を、無料で、世界中のすべての人に

第Ⅰ部 「教える」ということ

Part 1 Learning to Teach

ナディアの家庭教師
ごくシンプルなビデオ
重視すべきはコンテンツ
完全習得学習
「学び」とは何か
ギャップを埋める

第Ⅱ部 壊れたモデル

Part 2 The Broken Model

慣習を疑う
プロイセン・モデル
スイスチーズ的学習
テストの功罪
創造性に貼られるレッテル
宿題
教室をひっくり返す
学校教育のコスト

第Ⅲ部 実現の世界へ

Part 3 Into the RealWorld

理論と実践
カーンアカデミーのソフトウェア
現実の教室へ
ゲームのように楽しく
一世一代の決心
ロスアルトスでの実験
教育は年齢を超えて

第Ⅳ部 世界はひとつの教室

Part 4 The One World Schoolhouse

不確かなのは当たり前
生徒だったころの私
「教室はひとつ」との思い
チームスポーツとしての教育
「秩序ある混沌」はOK
夏休みを見直す
これからの成績表
教育を受けられない人たちのために
これからの資格認定
大学はどうなるか

むすび 創造のための時間をつくる

原注

謝辞





著者紹介

サルマン・カーン(Salman Khan)
カーンアカデミー創設者。インドとバングラデシュからの移民である両親のもと、ルイジアナ州メテリーに生まれる。クラス代表を務めたハーバード・ビジネススクールではMBAを取得したほか、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学位を3つ取得。オラクルをはじめとするシリコンバレーの新興企業数社、ヘッジファンドのアナリストをへて、NPOカーンアカデミーを創設。

カーンアカデミーとは
「質の高い教育を、無料で、世界中のすべての人に提供する」というミッションのもと、本書の著者サルマン・カーンが2008年に創設した非営利組織(NPO)。同組織のサイト上には数学、科学、経済、ファイナンス、歴史、美術などのレッスンビデオが4000本以上並び、ユーザーはこれらを無料で閲覧・学習することができる。サイトアクセスは月間5400万ページビュー、ユニークユーザーは月間530万人(2013年2月時点)と、いま世界で最も注目を集めるオンライン教育プラットフォームのひとつ。


訳者紹介

三木俊哉(Toshiya Miki)
京都大学法学部卒業。企業勤務をへて翻訳者。訳書に『スティーブ・ジョブズの流儀』(武田ランダムハウスジャパン)、『アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術』(海と月社)、『ヘッジファンド 投資家たちの野望と興亡』(楽工社)など

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いま世界が注目する教育プラットフォーム
「カーンアカデミー」の創設者が書き下ろす、教育の未来形。

「質の高い教育を、無料で、世界中のすべての人に提供する」——そんな壮大なスローガンを掲げ、いま世界のいたるところで学校教育のありかたを大きく変えつつあるNPOがある。「カーンアカデミー」だ。

カーンアカデミーのサイト上には、数学、科学、経済、ファイナンス、歴史、美術などのレッスンビデオが4000本以上並び、ユーザーはこれらを無料で閲覧・学習することができる。サイトアクセスは月間5400万ページビュー、ユニークユーザーは月間530万人(2013年2月時点)と、いま世界で最も注目を集めるオンライン教育プラットフォームのひとつだ。

カーンアカデミーの始まりは2004年、当時ヘッジファンドのアナリストとして敏腕をふるっていたサルマン・カーンが、ひょんなことから12歳のいとこの家庭教師を引き受けたことがきっかけだ。

地理的に離れた土地に住むいとこに勉強を教えるため、試行錯誤の末にカーンが思いついた方法が「レッスン動画をYouTubeにアップすること」。ほとんど偶然の産物で行きついた試みだったが、カーンはこの経験から、オンライン教育が秘める途方もない可能性に気づいていく。

やがてビル&メリンダ・ゲイツ財団やGoogleまでもがカーンアカデミーの潜在能力に注目し、巨額の出資を決定。2009年、カーンはついに生業だったアナリストの職を辞し、カーンアカデミーの仕事にフルタイムで取り組むようになった。

「テクノロジーには、教育をもっとポータブル、フレキシブル、パーソナルにする力、独創性や個人の責任感をはぐくみ、学習プロセスに宝探しのわくわく感をとり戻す力がある」。カーンは本書のなかでそう語る。アメリカの生徒たちだけでなく、ヨーロッパの街角で、インドの村で、そして若い女性がときに内緒で教育を受けようとしている中東の町で、インターネットにさえつながれば、子どもも大人もカーンアカデミーで学ぶことができる。

本書はまた、次のような問いをも私たちに投げかける。

・なぜ学校では、科目を切り分けて教えるのか?
・なぜテストは、80点でも『合格』とされるのか?
・なぜ教室には、同じ年齢の生徒だけが集められるのか?
・なぜ学校には、長い夏休みがあるのか?

これらはどれも、従来の学校教育にとっては当たり前の事柄だ。だが、「学び」が「テクノロジー」と出会ったいま、私たちはその“当たり前”を疑ってみる必要がありはしないだろうか。

本書は、カーンアカデミーの驚くべき成長の物語であると同時に、いやそれ以上に、従来の教育システムが抱えていた制約をテクノロジーがどのように解き放つのか、その可能性を探ろうとするものだ。学校教育にたずさわる方のみならず、テクノロジーが押し広げる近未来を俯瞰したい人には必読の一冊。

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