社長は労働法をこう使え!
プロ弁護士が教えるモンスター社員・ぶら下がり社員へのリアルな対応事例
社長は労働法をこう使え!
プロ弁護士が教えるモンスター社員・ぶら下がり社員へのリアルな対応事例
書籍情報
- 向井蘭 著
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2012年03月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:250
- ISBN:978-4-478-01704-3
内容紹介
経営者・人事担当者・管理職のために、労働法の基礎と労務トラブルへの対処法を解説するビジネス実用書。法律と現実のあいだのズレを知ってもらったのち、ふんだんな事例とともに、問題社員の辞めさせ方や労組への対応法を説明する。全国に100人ほどしかいない、経営者側に特化した労務専門の弁護士による画期的な1冊。
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目次
はじめに──1人で悩む社長のために
労務のプロ弁護士だからわかること
突然多額の残業代を請求される
意図的に問題を起こすモンスター社員
知ってほしい労働法の真実
ある裁判官の返答
第1章 社長のための労働法入門
1 時代に合わなくなってきた労働法
労働法が「契約自由の原則」を制限する
本当に労働者は弱者なのか?
労働法は労働者のニーズにもあわなくなっている
それでも労働法の改正はハードルが高い
2 労働法の三つの特徴
労働法は労働者を保護するための法律の総称
就業規則の存在
労働組合による交渉がある
3 労働法を正しく使うために知っておきたい七つのポイント
労働法には民法の所有権の考え方が当てはまる
期間雇用の規制はゆるい
残業に関する規制はゆるい
退職勧奨は自由にできる
配置転換に関する規制もゆるい
誰を採用するかは自由
定年退職は日本特有の制度
4 労働法の世界で関係する人やお役所
どこまでが労働者?
管理職と管理監督者は同じではない
経営者と使用者の違い
社内と社外の労働組合
裁判所と裁判官の実情
経営者側の弁護士は数が少ない
労務トラブルはまず社会保険労務士に
労働基準監督署は解雇を扱わない
第2章 社長なら知っておきたい労働法の新常識
1 正社員を解雇すると2000万円かかる
解雇→仮処分→敗訴のフルコースの代金は数千万円
解雇の本当の恐ろしさを知らない経営者
2 契約社員と派遣社員は法的にまったく異なる
更新回数三回以下の契約社員も雇い止めできないことがある
派遣社員は正社員の雇用を守るために存在している
定年後の契約社員は正社員に準じる地位に
業務委託も安心できない
3 成果を上げても勤怠不良は許されない
労働者の遅刻には厳しい裁判所
数億円の損害を出すのは許しても、数千円の横領は許さない
4 人事異動は使用者の最大の武器
人事異動はほぼ自由にできる
5 年収2000万円でも時給で残業代を支払う必要がある
残業代は企業価値も左右する
6 中小企業の管理監督者は都市伝説
大企業にもなかなかいない
管理監督者と認められるのはどんな人?
7 一度定めた賃金は会社の経営が厳しくても下げられない
年収3000万円のパイロットの賃金も下げられなかった
絶対額が小さくても手当はカットできない
8 就業規則がどこまで有効かは裁判所が決める
就業規則はブラックボックス
労働者に有利な就業規則はずっと生き続ける
9 労働組合法は、労働組合に強い権限を与えていない
団体交渉の申し入れには必ず応じる
ストライキをする組合はほとんどない
違法なストライキは裁判所で仮処分を申し立てる
10 パワハラの訴えに怯える必要はない
裁判所はほとんどパワハラを認めない
セクハラの基準はだんだん厳しくなっている
第3章 「もめる会社」は決まっている
1 経営者が交代したばかりの会社
役員が労働組合をバックアップ
先代社長の懸念が現実に……
2 歴史と伝統があり昭和ルールを維持する会社
日本経済の絶頂期が忘れられない古参社員がいる
会社が潰れるのを厭わない労働組合もある
薄れる社内労組の存在感
3 経営者の人柄がいい会社
草食系経営者はトラブルに悩まされる
人柄の悪そうな経営者のほうがもめごとが起こらない
4 金払いのよい会社
裕福な会社だから、労働者もお金を引き出そうとする
「労使の慣行」は就業規則と同じ効力を持つ
仕事が楽な会社ももめやすい
財団法人、社団法人などの公益法人はもめやすい
「暗黙の了解」に要注意!
5 外国人が経営している会社
解雇を厳しく規制する日本の労働法を理解できない
6 根拠のない思い込みのある会社
危険な三つの口癖
義理人情は通用しない
7 ブラック企業はもめにくい
労働者がすぐ辞めてしまう
ブラック企業には組合もお手上げ
中小企業は労働者の良識で成り立っている
第4章 「もめる社員」も決まっている
1 給料が高い社員
もめやすい土壌に、もめやすい社員が種をまく
現実を知った中高年が必死になる
ヘッドハントされた社員ももめやすい
2 健康・経済・家庭に不安のある社員
病気の社員は捨て身の行動に出る
社員の住宅ローンを年末調整でチェックしておく
ニートや引きこもりの子どもを抱えている社員もいる
転職市場の現状を知っておく
3 一定の権力を与えられていた社員
自分の城を持つ古参社員に要注意
ベテラン社員のわがままは無視してよい
経営者に嫉妬する社員がいる
4 労使紛争を経験した社員
「六法」を携帯する社員まで!
職業は「仮処分」!?
業務内容にマッチしない高学歴社員もトラブルの種に
第5章 トラブルが起きたらどうするか
1 労務トラブル解決の流れと注意点
いろいろなトラブル解決の窓口
労働局のあっせんでまとめるのがベスト
あっせんで無理なら労働審判で解決する
通常訴訟は労使ともにメリットがない
裁判所の強制執行はとにかく避ける
2 解雇のトラブルはお金で解決するのが鉄則
労働者の職場復帰の希望はほぼ建前
3 時間で解決するトラブルもある
解雇トラブルを時間で解決する裏ワザ
残業代トラブルは時効をうまく活用する
粘り強く交渉すれば組合は自然消滅することがある
時間がトラブルを風化させることもある
4 労働組合・団体交渉への対応法
自分に有利な事実を積み重ね、理詰めで交渉する
たとえ相手が泣き出しても最後まで話を聞く
相手からのサインに気づけば解決金は安くすむ
労働者も早く解決したがっている
労働組合にも「コスト」がかかっている
5 社内に本気の人がいるか否かが成否を分ける
逃げ腰では弁護士の協力も得られない
第6章 そもそもトラブルをどう防ぐか
1 トラブルを防ぐための採用法
「へんだな」と感じたら採用しない
職歴照会は積極的に行なう
メンタルヘルスに関する質問もOK
「新型うつ」に要注意
2 上手な人事異動のやり方
組合も人事異動を拒否できないことはわかっている
事前の準備と条件が重要
異動に積極的な理由が必要となる
異動を拒否された場合の対応
3 残業代請求トラブルの予防法
残業代請求のトラブルを防ぐ方法は一つしかない
残業代を定額で払うようにする
労働者の同意を得るポイント
第7章 ぶら下がり社員、モンスター社員を解雇する方法
1 ぶら下がり社員はどうしたら解雇できるか
解雇のための七つのポイント
裁判所は仕事の結果ではなく、プロセスを重視する
正しい仕事の課題を設定することが最重要
自己保身のための配転、教育・指導はトラブルを大きくする
2 モンスター社員は懲戒の積み重ねで
懲戒は就業規則に定められたことに対し行なう
裁判所は証言を重視しない
3 退職勧奨の適切なやり方
話の通じる相手かどうかを早期に見極める
対案を提示する
相手を誘導する
締切効果を活用する
いきなり解雇と決めつけず、冷静に交渉する
おわりに
著者
向井 蘭(むかい・らん)
1975年山形県生まれ。東北大学法学部卒業。2003年に弁護士登録。狩野・岡・向井法律事務所所属。経営法曹会議会員。労働法務を専門とし、解雇、雇止め、未払い残業代、団体交渉、労災など、使用者側の労働事件を数多く取り扱う。
企業法務担当者向けの労働問題に関するセミナー講師を務めるほか、『ビジネスガイド』(日本法令)、『労政時報』(労務行政研究所)、『企業実務』(日本実業出版社)など数多くの労働関連紙誌に寄稿。
著書に、『時間外労働と、残業代請求をめぐる諸問題』(共著、産労総合研究所)、『人事・労務担当者のための 労働法のしくみと仕事がわかる本』(日本実業出版社)がある。
ブログ http://ameblo.jp/r-mukai/
フェイスブック http://www.facebook.com/ran.mukai1
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