組織能力のハイブリッド戦略
「人ベース」の強みを活かした「仕事ベース」の導入
組織能力のハイブリッド戦略
「人ベース」の強みを活かした「仕事ベース」の導入
書籍情報
- 髙木晴夫 著
- 定価:2200円(本体2000円+税10%)
- 発行年月:2012年04月
- 判型/造本:46上製
- 頁数:200
- ISBN:978-4-478-00741-9
内容紹介
この20年、日本企業は、リストラ、組織のフラット化、成果主義等、さまざまな人事組織改革を行ってきたが、組織能力の進化は止まったままだ。その原因は、組織の構造とマネジメントの仕組み、人事諸制度がバラバラに考えられ、整合性がとれていなかったことにある。163社の調査から日本企業が獲得すべき組織能力を示す。
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目次
はじめに
第1章 日本企業の組織能力への危機感
1 人事・組織戦略の試行錯誤と組織能力
2 グローバル競争時代に求められるスピードと環境対応
3 新しい競争に求められる組織能力
第2章 組織のアーキテクチャーと組織能力
1 組織のDNAとアーキテクチャー
2 日米企業のアーキテクチャー:仕事ベースと人ベース
3 組織のタテ方向の動きとヨコ方向の動き
4 日米企業の組織運営それぞれの変遷
5 獲得すべき組織能力とは何か
第3章 上場企業163社調査
日本企業のアーキテクチャーと組織能力の現状
質問紙調査の概要
1 成果主義は日本企業の組織能力をどう変えたか
2 人ベースと仕事ベースのハイブリッド化を志向する企業
3 ハイブリッド化を目指す日本企業の特徴
4 日本企業のハイブリッド化は懐古主義の延長か
5 システム理論が教える人ベースの強み
第4章 日本企業5社の事例に見るハイブリッド化の可能性
聞き取り調査の概要
事例1 三井物産:成果主義導入を契機とした人ベースの破壊と再生
事例2 トヨタ自動車:人ベースの強みを優先させながら仕事ベースを導入
事例3 キリンホールディングス:仕事ベースを組織に根づかせるキーパーソンの人材交流
事例4 イー・アクセス:人ベースのベンチャー企業に埋め込まれた仕事ベースの仕掛け
事例5 日産自動車:強烈なトップダウンによる人ベースから仕事ベースへの転換とその軋轢
第5章 日本企業の組織能力再生への道筋と課題
1 終身雇用と組織能力の関係を自覚できているか
2 日本企業のハイブリッド化は本物か
3 日本企業の人ベース組織の強みの源泉
4 日本企業の組織能力はなぜ劣化するのか
5 日本企業のハイブリッド化への道筋
6 労働市場という環境要因の変化
あとがき
著者
髙木晴夫(たかぎ・はるお)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)教授。
慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。1975年、同大学院工学研究科修士課程、ならびに1978年、博士課程を修了。1984年、ハーバード大学ビジネススクール博士課程卒業。同校より経営学博士号を授与される。1994年より現職。
主な著書に『組織マネジメント戦略』(有斐閣)、『実践!日本型ケースメソッド教育』『トヨタはどうやってレクサスを創ったのか』(いずれもダイヤモンド社)、訳書に『新版 組織行動のマネジメント』(ダイヤモンド社)ほかがある。
調査分析協力
草間徹(くさま・とおる)
クレイア・コンサルティング株式会社 代表取締役
東京水産大学(現東京海洋大学)資源増殖学科卒業。1991年、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)MBA課程修了。アーサー・アンダーセン等を経て、2002年より現職。
主な著書に『「やる気」の構造』(共著、同文館出版)、『図解 コンピテンシーマネジメント』、『人事制度改革』(以上共著、東洋経済新報社)ほかがある。
針生俊成(はりゅう・としなり)
クレイア・コンサルティング株式会社 ディレクター
筑波大学第二学群人間学類卒業。トーマツコンサルティング、アーサー・アンダーセンを経て現職。
主に統合的人事制度改革、組織再編、人材アセスメント、意識改革、ブランドマネジメントと連動した人材マネジメント等に従事。
主な著書に『「やる気」の構造』(共著、同文館出版)、『図解 コンピテンシーマネジメント』(共著、東洋経済新報社)ほかがある。
金田宏之(かねだ・ひろゆき)
クレイア・コンサルティング株式会社 コンサルタント
早稲田大学教育学部卒業。
大手企業向け各種人事コンサルティングのほか、新興・ベンチャー企業に対する人事制度改革、導入・運用支援、大学等学校法人向けの人材マネジメントに従事。
クレイア・コンサルティング株式会社
組織および人事(HRM)領域を専門としたコンサルティングファームで、組織改革、人事制度改革・設計、人材育成体系設計/研修、人材アセスメント、組織診断/意識調査などのサービスを提供している。
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米国企業には大卒定期一括採用という概念がない。経営者の戦略ビジョンがトップダウンで下ろされ、現場の仕事に分解されて、その仕事に必要な人を採用する。基本は中途採用である。
一方、日本企業は、まず、人を採用し、その人が社内で人脈を形成しながら仕事をつくり出していく。新しい仕事は現場の共同作業の中から生まれ、意思決定にはボトムアップが活用される。
米国企業のDNAは仕事ベースの組織をつくり、日本企業のDNAは人ベースの組織をつくる。日本企業の組織が進化せず、閉塞感が蔓延している理由は、人ベースの組織に仕事ベースの仕事の仕組み(例えば成果主義)を拙速に導入してしまったことによる。
では、日本企業が本来の組織の強みを取り戻し、かつ、さらなる進化のために、仕事ベースを上手に取り入れていくためには、どのような道筋がありうるか。163社への調査から、その可能性と方法を明らかにする。
第1章 日本企業の組織能力への危機感
第2章 組織のアーキテクチャーと組織能力
第3章 上場企業163社調査——日本企業のアーキテクチャーと組織能力の現状
第4章 日本企業5社の事例に見るハイブリッド化の可能性
第5章 日本企業の組織能力再生への道筋と課題
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